【3/12】さようなら、好き [1] @那桜 ページ11
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「Aー。」
「ん?あ、るすくん!」
3月12日。高校3年の春。
ここら辺の学校の中じゃ早い卒業式を終えた私達。
「卒アルになんか書いて。」
「うん。いいよ。」
彼、luzくんは、中学からクラスがずっと一緒だった数少ないの同中の友達。
腐れ縁だな。
なんて、思ったことない。
クラス替えがある年、どんな気持ちでクラス表を見てたか。
同じクラスだったとき、どれだけ喜んでいたか。
私は、彼が好きなのだ。
だけど、これからの進路は別。
luzくんは就職。私は大学へ進学。
「ありがと。そっちのもちょうだい。」
luzくんからアルバムを受けとる。
今度は、私がアルバムを彼に渡した。
なに書こう…
「なん、でもいいんだよね?」
「うん、別になんでも。」
「…これ、書くの私が最後?」
「んや。まだあと2人くらい。」
…なんだ。『好き』って書けないじゃん。
私は、ペンを持った。
“就職頑張って。”
・
夕日が明るく照らす、手元にあるアルバムは少し明るい色に染まった。
私は、教室の一番窓側、一番後ろにある自分の机で“卒業”を改めて実感した。
「……あれ、まだいたの。」
教室の入り口を見た。
「…うん。いた。」
luzくんが、微笑んで立っていた。
「何してたの?」
「体育館でバスケ。」
「片付いてたの?」
「椅子寄せてやった。」
「…何しに戻ってきたの?」
「忘れ物。」
「そっかぁ…」と言って、窓の外を見た。
「なに黄昏てんの?」
「いや、こっからの景色最後だなぁって。」
今度は斜め右前。
……luzくんの席。
ここから、luzくんを眺めるのも最後だ。
そう思うと、ちょっと切ない気持ちになったり。
「……帰らないの?」
「うん、まだいる。」
「…そ。じゃ、俺もまだいる。」
そう言ってこちらに歩いてくるluzくん。
彼のなんとなくな言動に、いちいち期待してしまう自分がこわい。
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相川りい@千里嫁(プロフ) - ああああああ参加できなくてすいません!!いろいろあって!いやもう言い訳通用しませんよね!ごめんなさい!でもみなさんの文章素敵です! (2014年3月25日 16時) (レス) id: 270c8cb67b (このIDを非表示/違反報告)
咲和@甘党加湿器はネ申(プロフ) - お疲れ様でした!昨日卒業式でした(´;ω;`)この小説見て中学でも頑張ろうって思えました!これからも皆さん応援してます! (2014年3月21日 13時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)
ちー。(プロフ) - お疲れ様でした! 本当に楽しかったです!! ありがとうございました! (2014年3月21日 8時) (レス) id: 1a53920cc9 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ姫@蛇足厨(プロフ) - 卒業リレー!?もう、嬉しすぎますヾ(^▽^)ノ私今年卒業するのでとても、嬉しいですヾ(^▽^)ノ (2014年3月10日 16時) (レス) id: 20f7776008 (このIDを非表示/違反報告)
咲和@甘党加湿器はネ申(プロフ) - そそそ卒業リレー!えっとありがとうございます!← 私今年卒業なのでとっても嬉しいです!皆さん応援してます!頑張ってください! (2014年3月7日 18時) (レス) id: e0458a6b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:graduation x他9人 | 作者ホームページ:ありません
作成日時:2014年2月25日 16時