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「あ、グルッペン、」
「遅れてすまない、誘っておきながら…。」
「いや大丈夫、そんなに待ってないよ。」
ね、と手首を彼に差し出し、腕時計を見せた。予定時間より数分遅れるぐらい、どうってことない。
雨も家を出たころには止んでいて、近くの公園で待ち合わせていたのだ。
申し訳なさそうなグルッペンをよそに、話を進めていく。
「でも、急にどうしたの？出掛けようなんて…。」
「いや、特に深い意味はないんだ。ただ、恋人ならこういうこともして当然やろ？」
彼は楽しそうに微笑み、指を私の髪に絡めた。心臓が飛び跳ねる。あぁ、今絶対顔赤いんだろうなぁ、とか呑気に考えたり。
連れていきたい場所があるんだ、と切り出すグルッペン。クエスチョンマークを頭上に浮かべていると、美味いケーキ屋があってだな、と。
ケーキと聞いた瞬間に輝く私を見てか、面白そうに声を洩らして笑った彼は、私の腕を優しく引いて、歩きだした。
「ここから近いの？そのお店。」
「そうやな、近いぞ。」
じゃあ、また来ようよ。と彼を見て笑うと、少し間を空けて微笑み返してくれた。
やはり彼が喜ぶ場所というものが私にとっても喜ぶ場所、だと思うし。…ちょっと、恥ずかしい思想だな。
水溜まりに浮かぶ青空を緩く踏んだ、
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稚都(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると、とても励みになります。今後ともこの作品をどうぞ宜しくお願いします。 (2019年2月12日 18時) (
レス) id: 170c23df6e (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - めっちゃ好きです！ (2019年2月12日 15時) (レス) id: 02b81b04f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稚都 | 作成日時：2019年2月11日 15時
