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瞬間、ストンと心の中になにかが落ちてきた。
息をするぐらい自然に、元からあったもののように。しっかりと嵌ったそれは、私のなかに溶けていく。
その名前を、私はまだ知らなかった。
硝子のように繊細で、美しい、その名前を。
× × × 。
「遠野」
「…はい、」
ひらりとてのひらに触れたのは、テストの結果。…見るまでもなく、分かっている。
「放課後、職員室に来なさい。」
成績は毎回最下位。赤点は必ずと言っていいほど。
私、遠野Aは華の高校２年生。
この成績で２年になれたというだけでも素晴らしいと思う。きっと頭の悪さはピカイチ。
「Aちゃん、どうだった?テスト」
「あー…、うん、そこそこかな…?」
全然そこそこなんてレベルじゃないです。人様になんておそろしくて、口が裂けても言えない。
「私先生に呼ばれてるから…、またね。」
小さく手を振っては、HRが終わり騒がしくなった教室から、逃げるように出ていった。
私の周りの女の子はみんな頭がいいけど、勉強教えて、なんて怖くて言えない。言える訳ない。
はぐらかしてしまった罪悪感から逃れるように足早に職員室へ向かった。どうしてこうも頭が悪いのだろう。
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稚都(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると、とても励みになります。今後ともこの作品をどうぞ宜しくお願いします。 (2019年2月12日 18時) (
レス) id: 170c23df6e (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - めっちゃ好きです！ (2019年2月12日 15時) (レス) id: 02b81b04f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稚都 | 作成日時：2019年2月11日 15時
