総統様の短編集［wrwrd!］ (ページ1)

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雨と総統ページ1

グルちゃんと合わなくなってもうすぐ一ヶ月
電話もメールもしてないかも、覚えてないや。そんなに前なのか

別に喧嘩しているわけじゃないし、仲が悪くなったをけでも何かあったわけでもない。でもグルちゃんはいいとこのおぼっちゃまで私はただの一般人、私なんかと会う時間がないんだろう。グルちゃんと付き合ってたなんて私は夢でも見ていたのかという気分になる。

そうだ、久しぶりにパーっと飲もう。冷蔵庫を開けたがお酒の缶はひとつもない。

「…しょうがないからコンビニ行くかぁ」

財布だけ持って外に出る。もう遅いからか人の気配ひとつすらない。この道もグルちゃんと手繋いで歩いたなぁ。なんだか悔しくて嗚咽が込み上げてくる。

「なんなのあの男！私のこと捨てやがって。いつか見返してやるからな！」

「可愛いレディがこんな夜中に外を出歩いてるとは感心できないなぁ」

この一ヶ月聞きたくてしょうがなかった声。恋しかった彼の匂いが私の鼻腔を満たす。

「グル…ちゃん？」
「あぁ俺だぞ。」
「やだ私ったらグルちゃんに開いたすぎて幻覚見てるのかも」
「そんなに会いたかったのか嬉しいゾ。でも俺は幻覚じゃない。」
「じゃっじゃあなんで一ヶ月電話もメールもなかったし会いにきてくれなかったの？」
「まぁいろいろとあったんだが簡潔に言うとお前と結婚するための勝負だな」

簡単に言うとグルちゃんは親に私と結婚することを猛反対されていたらしい。
まぁそりゃいいとこのお坊ちゃんが一般人と結婚なんてできるわけないよな。それでグルちゃん父親の持っている子会社の売り上げの目標金額達成したら私との結婚を認めてくれる条件で親と勝負していたらしい。グルちゃんの親だ、きっと目標金額は私じゃ考えられないほどの金額だったに違いない。

「俺は一ヶ月お前を迎えに来るために頑張った。」

グルちゃんは膝をつく

『俺と結婚してください。』

「そんなのことわれるわけないじゃん。わかってて言ったんでしょ？私は人生の中でグルちゃん以外の人と結婚するつもりなんてないよ。だから私と結婚してください。」

真っ赤なガーネットの瞳がいつも以上に輝いていた気がした。