第二話 ７ ページ21
帰り道、零夜は後輩達と別れて稜我と歩いていく。
ふと口を開き稜我へ声をかける。
「なぁ、稜我……」
「ん？」
先を少し進んでいた稜我は足をとめて零夜を見た。
「お前はどうして俺を助けようとしたんだ」
「親戚でもなくて、特に知り合いでもなかった俺をどうして助けようとしたんだ」
んー、と稜我は空を見る。そして、零夜の顔を見た。
「安心して過ごせる場所をあげようと思ったから、かな」
「は？」
「だってさ、お前いったじゃん。帰る家なんかどこにもないって。なら、帰れる場所があれば良いじゃんって思って」
「いや、だからって引き取るまでするか？」
「お前だってあの時親父がいたの覚えてるだろ。それに、お前を引き取る時、お前のいた親戚に話をしに行ったらあっさりOK出されて。あれほど腹が立つことはなかったし、こんな家よりも絶対にうちの方がいいって、思ったし」
稜我は一歩ずつ前へ歩きだすと続けていった。
「あんな風にほとんど真っ暗な夕暮れの中子供が一人でいたらそう思うだろ？」
「……理由っぽいこといってるけど全然理由になってねーぞ」
「あれ？そうか？」
難しいな、といいながら稜我は笑った。
そして、それにしても、と続ける。
「零夜は俺が助けてくれたって思ったわけか。」
はっとしたように零夜は目を見開いて黙り混んだ。
「いやいや、そんな風に思ってたとは。お兄ちゃんは嬉しいよ」
「何がお兄ちゃんだ！はぁ、帰る」
「あ、置いていくなよ、零夜！」
零夜が稜我を追い抜き、稜我が慌てて追いかける。
その時、
「優磨くん優磨くん、こっちこっち！」
「ま、待ってよ！霧華ちゃん！」
道路の向こうにはこの前とは大分変わった表情の明るくなった優磨がいた。
すれ違う瞬間、優磨もこちらに気づいたのか、お辞儀をしてきた。そして口を動かして
『ありがとう』
そう動いていた気がした。
「優磨くん！何してるのー？早くー！」
「いまいくー！」
少女に声をかけられた少年はその後を追って走っていく。
その様子を見ている間に稜我が零夜の隣に追い付いていた。
「今のって…」
「優磨…だな」
「明るくなったなぁ。友達もできたみたいだし、よかったよかった」
「やっぱり、変わり者は世の中に意外といるってことだな」
「そんな優磨くんの友達にそんな言い方しなくても。女の子だぞ」
「違う、お前のこと言ったんだ」
「え！？俺！？何で今！？」
零夜は再び歩きだし家へと向かう。稜我と、家族と暮らす我が家へと。
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ゆか潤★(プロフ) - いいなぁ文才ある人って尊敬しちゃいます♪私も書こうとしたのですがなかなか書けません(泣) (2012年8月7日 10時) (携帯から) (
レス) id: 1da60932fe (このIDを非表示/違反報告)
秋桜(プロフ) - わぁーｗ 凄いやｗ 秋さんはいくらかいても読まれないから諦めたけど、凄いHit数だわぁ･･･ 更新待ってるよん、頑張れ(´∀`*) (2012年7月12日 19時) (レス) id: ccc16e3744 (このIDを非表示/違反報告)
瑠河(プロフ) - ありがとうございます！！受験のため、すぐ書くことは出来ませんが、3月下旬には書きますので、待っててください！！ (2012年3月3日 9時) (レス) id: 2076b1e41b (このIDを非表示/違反報告)
胡麻 - 遅れた？！１０００hitおめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！！！！！！！！！ (2011年10月25日 21時) (携帯から) (レス) id: 2d1389d30b (このIDを非表示/違反報告)
瑠河 - １０００hitありがとう！！ (2011年10月22日 19時) (レス) id: 059d05a34b (このIDを非表示/違反報告)
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