157話 ページ8
「よくも……よくもおぉぉ『うるさい』ッ!?」
「なッ!?いつの……」
私は2人が言い終わる前に、頭を掴んだ。そして……
「ぎゃあぁぁぁああ!!!」
「熱いッ!!熱いいぃぃぃいい!!」
燃やした。
青い炎で黒焦げになったソレは、まるで砂のように崩れていく。
『……さて、と』
私は手をパンッパンッと払って、最後の1人に視線を向けた。
「ひぃ……!!」
最後の1人は、最初の勢いとは違い、まるで怯えた小動物のようだった。
いや、比べられる小動物の方が、可哀想かな。
私はゆっくりと、そいつに近づいた。男は恐れのせいか、腰が抜け、尻もちをついている。
「く、来るなァ!!この化け物め!!」
『……』
私は至って表情を変えず、男の元へ足を進める。
「なんなんだよ!その、青い炎は……!!見たことがないッ……!!そんな炎!!やめろ!!来るな!!」
私は男の前まで来ると、男と視線を合わせるようにしゃがんだ。
『どうして私を捕まえようとするんですか?』
「……へ?」
てっきり殺されるのだと思っていたのであろう。男は目を大きく見開いていた。
『教えてください。どうして?』
「そ、そんな事……!言える訳ッ!!」
『死にたいんですか?』
「ッ!!……………………分からない」
『は?』
「ッ、分からないんだよ!!本当に!!上からは、ただ、お前を見つけ次第、殺さず捕まえろって……言われてるだけなんだよッ!!」
『(ふーん、なるほどね〜)』
私は考えがるように、腕を組んだ。
『(理由は話さず、ただ捕まえる事だけを指示した。殺さずということは……傷はつけても大丈夫ってことかな?……て事は、死なずに、私が生きてる状態でないと意味が無いということになる……私が死んでは、ある事について知ることができないから。なら、私の体が欲しい訳ではなく、私の……)炎、か?』
「……?」
なるほど。それなら合点がいくね。
『……ありがとうございます。あなたのおかげで、だいたい分かりました。では、さようなら』
「え……?」
私はそう言って、男の心臓への繋がる血を全て止めた。
すると男は、口から汚い唾液を飛び散らせながら、もがき苦しんだ。
『……汚い、支給された服が汚れるかと思った』
私がそう呟いた時だった。背後に、大きな火柱がたった。
『うわ〜!すごい!!』
気になった私は、走って火柱の方へ向かった。
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トギリ(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます!!丁度お話が切れたので、次は続編で楽しみにしててください!! (2021年2月18日 3時) (レス) id: 3f55fcc611 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2021年2月15日 21時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 戯言さん» ありがとうございます!!最近更新スピード遅いですが、頑張ります!! (2021年1月17日 20時) (レス) id: d62e5fc86b (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - とても面白かったです!!更新頑張ってください!! (2021年1月16日 10時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 鏡さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2021年1月4日 22時) (レス) id: ea7a9b2bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年11月15日 17時