罪の告白*弐 ページ5
*
本当に迂闊だった。
みすみす黒死牟さんの居場所を吐かなければならないなんて。
正直、あの屋敷の正確な位置は分かっていないが、彼らが2日も捜索すれば見つかってしまうのではないか?
でも…
黒死牟さんを売るわけじゃない。
結果的にそうなってしまうかもしれないけど、罪を誰かに告白したい。
彼が鬼殺隊であるならば、筋が通る。
許しを乞うわけじゃない。
裁かれたい……。
(あぁ…本当に身勝手…)
黙ってしまったAを見かねて、義勇は刀を抜いた。
「え…」
「……ならば、こうすれば吐くか?」
義勇は、刀の切っ先をAに向けた。
Aは唖然として、恐ろしげに義勇を見た。深淵の瞳は、相変わらず感情が読めない。ただ恐ろしい。
「…答えろ。」
だけど
「…冨岡さん、…それは脅しになっていません。
…貴方からは、私を殺そうなんて、そんな気配しません。」
気配に聡いAは、億さずそう言った。
義勇は驚くと、黙って刀をしまった。
その時、お婆さんが夕餉を運んで来た。
私たちはいそいそと身なりを直した。
話は一時中断となる。
出された食事を、二人で黙って食べ続ける。
耐え難い空気だった。
何とか食べ終え、寝ようと部屋を出ようとした時だった。
「待て、話は終わっていない。」
彼は相変わらず読めない表情でそう告げる。
「分かりました。……お話ならします。
けど、その鬼について詳しく言うつもりはありません」
「……何故だ。
その鬼は肉親だったのか?友人か?恋人か?」
「……違います」
無意識に、顔を歪めていた。
義勇はそんなAの表情を読み取ると、勝手に納得した様子を見せる。
そして、早く言えと言わんばかりの義勇の眼差しに催促され、渋々話し始めた。
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renkon(プロフ) - 林檎さん» ヒィぃ嬉しい...最後ちょっと雑だったけど伝わって良かった...ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 桃さん» あざす!!!!!!!感想ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 超 感 動 !! 黒死牟大好きなので最高でした! (2020年1月31日 0時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 黒死牟推しです。とにかくキュンキュンしました!大好きな黒死牟にお姫様抱っこされたり、キスされたり…もう、最高!! (2020年1月15日 22時) (レス) id: 7ebd909b21 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 無気力人間Aさん» ほんとですか!?やったー!お相手が鬼ならばBADにするしかあるまい!!と考える人間なのでそう言って頂けて嬉しいです。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:renkon | 作成日時:2019年11月18日 22時