検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:111,882 hit

罪の告白*弐 ページ5




本当に迂闊だった。
みすみす黒死牟さんの居場所を吐かなければならないなんて。
正直、あの屋敷の正確な位置は分かっていないが、彼らが2日も捜索すれば見つかってしまうのではないか?


でも…




黒死牟さんを売るわけじゃない。
結果的にそうなってしまうかもしれないけど、罪を誰かに告白したい。

彼が鬼殺隊であるならば、筋が通る。
許しを乞うわけじゃない。
裁かれたい……。

(あぁ…本当に身勝手…)


黙ってしまったAを見かねて、義勇は刀を抜いた。

「え…」

「……ならば、こうすれば吐くか?」

義勇は、刀の切っ先をAに向けた。
Aは唖然として、恐ろしげに義勇を見た。深淵の瞳は、相変わらず感情が読めない。ただ恐ろしい。


「…答えろ。」


だけど


「…冨岡さん、…それは脅しになっていません。
…貴方からは、私を殺そうなんて、そんな気配しません。」

気配に聡いAは、億さずそう言った。
義勇は驚くと、黙って刀をしまった。


その時、お婆さんが夕餉を運んで来た。
私たちはいそいそと身なりを直した。

話は一時中断となる。


出された食事を、二人で黙って食べ続ける。
耐え難い空気だった。


何とか食べ終え、寝ようと部屋を出ようとした時だった。

「待て、話は終わっていない。」

彼は相変わらず読めない表情でそう告げる。

「分かりました。……お話ならします。
けど、その鬼について詳しく言うつもりはありません」

「……何故だ。
その鬼は肉親だったのか?友人か?恋人か?」


「……違います」

無意識に、顔を歪めていた。
義勇はそんなAの表情を読み取ると、勝手に納得した様子を見せる。

そして、早く言えと言わんばかりの義勇の眼差しに催促され、渋々話し始めた。



罪の告白*参→←罪の告白*壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
401人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

renkon(プロフ) - 林檎さん» ヒィぃ嬉しい...最後ちょっと雑だったけど伝わって良かった...ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 桃さん» あざす!!!!!!!感想ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 超  感  動  !! 黒死牟大好きなので最高でした! (2020年1月31日 0時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
- 黒死牟推しです。とにかくキュンキュンしました!大好きな黒死牟にお姫様抱っこされたり、キスされたり…もう、最高!! (2020年1月15日 22時) (レス) id: 7ebd909b21 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 無気力人間Aさん» ほんとですか!?やったー!お相手が鬼ならばBADにするしかあるまい!!と考える人間なのでそう言って頂けて嬉しいです。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:renkon | 作成日時:2019年11月18日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。