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「…キスしちゃったなぁ…じゃねぇよ…」
私から少し離れて、なのに首に回した手を離す様子もなく言い放った言葉が、脳内で反芻するので言い返した。夢の中でしか反論ができないのはとても恥ずかしい限り。
夢でも見ていたのではと思う位に、ゆっくり目が醒めていく。勿論自身の部屋の天井。あの後の記憶だってある。言わずもがな一発ぶん殴って逃げた(其れ位は許される行為だと思いたいので怒らないでほしい)。髪の隙間から見えていた口元は嬉しそうに歪んでいて、楽しそうで腹が立ったし、忘れるわけもない。
良い思い出ですってか。
友人に貸された少女漫画でよくある展開に似ている。イケメンに何の許可もしてないのにキスされるっていう、あれ。まさか実際にあるだなんて思ってもみなかったし、なんなら弔さんに至ってはイケメンという部類より謎の多い大人、だ(なんなら可愛いって感じなのでは？ただの私の主観だけれども)。学園モノであるならば、先生みたいな立場が似合っているのではないか。まぁそんな事はどうだって良い。問題は、あの行為自体の話。
(夢にしたい、いやもういっそなれ)
上半身を起こしたけれど、ベッドから出る気力はなく頭を抱えて溜息を零した。
あの真剣さからして後々「遊びで言っちゃダメだよ〜！」等とふざけてはいけない部類のものであるし、そんなものをした挙句殺されてしまいそうな雰囲気さえある。まぁ何をどうしたって茶化す気はない。それが本気なのだとしたら。正直な所、彼の事はよく分からない。素性も再三言っている通りそうなのだが、気持ち的な話だ。時々子供っぽく笑い、楽しんでいるのに関わらず突然、何もかもが静まった海の様に何も感じられなくなる。
(会いたくないなぁ、約束なんてしてないけど、あっちから来るから避けられないんだよね)
かといって連絡先なんぞ死ぬ程知りたくもないのだが。
ぼんやり考えつつ、携帯に手を伸ばして時間を見た。表示は8:20。
さて、学生の皆さんはお分かりだろう。幾ら近くとはいえ後15分程度以内で支度し、学校についていなければならないという偉業はなし得ない。
遅刻確定である。
「バァカ…」
何に対してなのかも不明のまま、呟いた。
因みに、連絡が無い私を放って人使は遅刻を免れている。
電話してくれても良いやんけ。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
