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「…ち、ちっっっかい！」
弔さんの肩を押し返して、言えたのがそれ。何とも不甲斐ない結果ではあるんだけれど、徐々に近づいてくる弔さんは、本当近くて私の心臓が持ちそうにないのだ。仕方ない。
「さてはパーソナルスペース知りませんね！？不用意に相手のスペースに踏み込んだらダメです！」
「…はぁ？」
少しパニックになった私は彼をこれ以上近付けさせまい、と肩に手を置いたまま早口で話す。死ぬ程恥ずかしい、そう、恥ずかしいのだ。
「対人距離とも言いますけど、人によっては近付かれて不快に思っ…あっあっ！別に不快には思ってないですよ！？違くて！えっと、えっと…」
ダメだ、完全に言葉が見つからない。
「不快じゃないなら、何」
「うえっと…ごめんなさい…適切な言葉が見つかりません…」
穴があるのであれば、入りたい状況。少し驚いた顔をしてる弔さんは動きを止めて、少し笑う。完全に馬鹿だと思われたんだと確信した。いや、そうする他ないと思う笑い方だ。
「何をそんなに慌てる必要がある？」
「いや…えっと…」
肩に置いてあった私の手を掴んで距離を縮めてくる。
なんなんだこの人は、遠慮というものを知らないのか！
「近いです、いやほんと、あの！」
この距離ってなんて言うんだっけ、えぇっと、あぁそうだ近接相だ。気を許した相手の距離が密接距離だったよね。わぁ、何でどうでも良い事覚えてるんだろ、驚きだなぁ──なんていう馬鹿馬鹿しい思想が私の中で動き回っていく。残念ながら、特に思入れのない状況でのらりくらり生きていた私は、異性との交際に関して全く経験はなく──ましてこんな状況になった際の適切な対応の仕方は全くもって知り得なかった。パニックになったら尚更である。
「離れろって？」
「出来、れば…お願いしたく…」
友達としてならば全然平気だし、気にもしないんだけれど、弔さんは違う。友達でもない──言うなれば唯の知り合い程度。そんな位置付けだからこそ、恥ずかしさと緊張感があるのだろう。
にしても近いなおい。
「ははっ、断る」
口で笑った。目がまるで笑ってない。だのに、楽しそうなのは見て伺えるのだ。性根の腐った人なのだろうか？というかそうであれば私は思いっきり遠慮なしで彼を蹴とばせるのだが──そうもいかないか。
「あぁもう…何が目的ですか…質問ですか？さっきの質問に答えれば良いですか？」
諦め半分で、抵抗を止めながら聞くと
「いやそれはもう良い」
絶望的な答え。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
