【序章】 ページ1
((ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
慌ただしい足音を響かせながら女中は屋敷内を走り回っていた。そして探し人を見つけると、その背に向かって大きく叫んだ。
名を呼ばれた少女は女中の慌てぶりに驚き、愛らしい瞳を大きく開かせた。なんとか女中を落ち着かせ、なにがあったのか聞くと、先程から抱えていた花束を震える手で少女に渡した。
鮮やかな赤が少女の視界に広がる。
それは"椿"の花束だった。
花束に向けていた視線を再び女中に向けると、女中は今にも泣きそうな顔で少女の言葉を待っていた。
"これはどこで"と少女が問えば、女中は"玄関先で"と答えた。途端、嫌な予感がした少女は急いで第七師団に連絡を入れるように言った。女中はすぐ近くにあった電話機で番号を入れる。
ふと、少女は花束にある物を見つけた。取り出した物は二つ折りの用紙。
少女が用紙を開いて見ると、そこには見慣れた字で一言…
"ごめん"
そう、書かれていた。
"天鬼 紅覇 上等兵は現在消息が掴めず、捜索中である"
受話器越しの声に女中は言葉を失い、手に持っていた受話器を落とした。
『お爺様はどうして"椿"が好きなのですか？』
「そうだね。お前の瞳と同じ色……だからかな」
『……お爺様は変わっていますね』
「そうかい？」
『はい…とっても』
変わっていて……暖かい人です。
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伊瀬(プロフ) - 176さん» ありがとうございます！二章も引き続き頑張りまっす!! (2019年11月10日 23時) (
レス) id: 6b512e48b1 (このIDを非表示/違反報告)
176 - 一章お疲れ様でした！二章も楽しみです！作品とっても好きです！頑張って下さい！応援しています！ (2019年11月10日 22時) (レス) id: b5e0f112ee (このIDを非表示/違反報告)
伊瀬(プロフ) - 、さん» すみませんでした！ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月10日 19時) (レス) id: 6b512e48b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊瀬 | 作成日時：2019年11月10日 19時
