命を繋ぐフルートと歌声〜第二楽章〜

復讐の雷〜モツside〜 ページ49

違う…

僕はこんなコンスタンツェ…アリスを知らないよ…

アリスの目には誰もうつってない。

復讐そのものが映っていた。

アリス「いいの、それより、私は、あの人に、アルケー社に復讐をするの…」

アリスはそう言うと、持っていたタクトを大きく振った。

すると、雷から怪物のようなものが出てきた。

ベト「な、なんだあれは……」

ショパン「雷獣……」

みつる「ヤバいっす！今すぐ逃げるっすよ！」

奏助「え？」

その瞬間雷獣が大きく口を開け、僕の足元に雷を落とした、

モツ「あぶなっ！」

アリス「私のムジークの効果、何だと思ってるの？あんたなら分かるでしょ？」

そう言って、みつるさんの方を向いた。

みつる「………雷にうたれた者の記憶と感情を破壊する……」

え？

アリス「良くできました。アハッ。」

バダ「記憶と感情を破壊するって……」

チャイコ「まさか、おめぇ…」

アリス「そう、私は、自分のムジークで、自分の記憶を葬ったの。」

ベト「ほう…」

みつる「彼女は、前にもこのムジークを出したんっす。でも、あまりの力で自分自身を傷つけてしまったんっす。」

アリス「でも、そうさせたのはあなたたちよね？」

みつる「…………」

アリス「……バカみたいに黙ってんじゃないわよ。私の気持ちも知らないで……ま、いいわ、まずはあなたからね。やりなさい。」

そう言うと、アリスは雷獣の方を向いた。

まさか……

モツ「待ってアリス！」

アリスは嫌々しくタクトを振る手を止めた。

アリス「何？」

その目は以前、ムジークを発動させる前の目とは違い、冷たく、怒りや憎しみ……負の感情が敷き詰められた恐ろしい目だった。

モツ「話してよ、君の過去を。」

そうだ。

僕たちは知らなくてはいけない、

アリスの過去を。

知って彼女を止めるんだ。

アリス「……いいわよ、話してあげる。」

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