命を繋ぐフルートと歌声〜第二楽章〜

新世界〜アリスサイド〜 ページ35

私は、音羽館のリビングのドアを開けた。

そこには、

おなじみのカバと機械がいた←

アリス「あら、戻っていらしたんですね、ドヴォルザークさん。弟と何かありました？」

ドボ「ぷぎぎ(はい、実はワーグナーと少し揉めてしまいまして。彼にはもううんざりしてしまいました。)」

アリス「あー、確かにあの子、妙に大人びててクールなのに負けん気が強いというか、少し怒りっぽいというか、生意気というか....欠点を挙げたらキリがありませんよね。分かります。」

パッド君「アリスさん？ドヴォルザークさんの言葉が分かるのですか？」

アリス「ええまあ。私、なぜだか動物や植物の言葉や気持ちが分かるんですよ。」

ドボ「ぷぎぷぎ(私はカバではありません。)」

アリス「別に、私はあなたの事をカバだなんて思ってませんよ。見た目がカバですけどね。」

ドボ「ぷぎー(姉弟でよく似ていますね、君たちは。)」

アリス「それ、どういう意味ですか？」

ドボ「ぷぎぷぎぷぎ(君を見ていると、ワーグナーを見ているような気持ちになる...)」

アリス「ふーん。私はあなたを見ていると、懐かしい気持ちになります。私が記憶をなくす前、どこかで会いました？」

ドボ「ぷぎぷ(そのようなこと、記憶にありませんが。)」

こっちも覚えてないのか....

アリス「そうですか。それより、あなた方旅に出るんでしょう？」

パッド君「はい。止めないでくださいアリスさん！」

アリス「誰が止めるなんて言ったんですか？私にあなた方を止める理由があって？」

パッド君「あなたも相変わらずですね。本当にワーグナーにそっくりだ。」

アリス「血は繋がってないですけどね。いってらっしゃい。」

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