Step up 2. ページ27
.
｢……………。｣
(ほんま、どうかしてる)
誰かを好きになる瞬間なんて、
説明もつかない。
気付いたらいつの間にか
平然と俺の中に居座り続けていた彼女の事を
思いながら溜息を吐いた。
ふとタクシーに設置されていた時計を見れば、
時刻はもう１８時を過ぎていた。
すっかり日も落ちて、
少しずつ色を変え始める外の景色を
ぼんやり眺めながら
静かに目的地を目指し
走り続けるタクシーに揺られながら、
俺は手に持ったままになっていたスマホへと
再び視線を落とした。
暗くなったスマホの画面に触れて、
LINEの画面を開いて確かめれば
先ほどの憎たらしいメッセージに辿り着く。
｢………っ、｣
(何回見ても屈辱的やわ)
俺に対して、ここまで飾り気のない
シンプルな文面を送れるのは
きっと後にも先にも彼女くらいやと思う。
だけど、それは同時に彼女が俺に対して
そういう色眼鏡で見ていないと
証明しているかのようで
何故だかそれに
少しだけ安心している自分も居た。
｢お客さん、着きましたよ｣
｢あ、はい…｣
そうこうしている内に、
タクシーは目的地に到着した。
運転手さんがちらりとこちらに振り返り
そう言った声に反応して
慌てて財布からお金を出して
支払いを済ませる。
鞄の中から
お気に入りのサングラスを取り出して装着。
準備万端となったところで、
ドアを開けてタクシーから降りれば
外はもうすっかり暗くなっていた。
｢さすがにまだ居らんよな｣
目の前に見えるのは、
俺が彼女にLINEで指定した
コンビニエンスストア。
どうせ隣に住んでるんやから
コンビニにする必要は無いと
思う人もいるかもしれない。
だけど、隣に住んでいるからこそ
厄介な事もある。
それは、
メンバーに干渉されたくないからだった。
俺が彼女に会いにいく。
そう言えば、きっとあいつらの事だから
変な気を利かせてみたり、
邪魔をされるに違いない。
そう安易に予想が付きすぎて
それだけは絶対に避けたい、と
あえてこのコンビニを選んだんやけど…
｢あれ、俺そういえば時間…｣
(うわ、やってしもた！)
コンビニに入ろうとした瞬間、
ふと送ったLINEの文面に
肝心の時間を入れ忘れていた事を思い出した。
ハッとして、慌てて文面を確かめれば
俺が送ったLINEには
”今日の夜、コンビニで待ってる”
と、たったそれだけ書かれていた。
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りょう(プロフ) - 自分の読解力の無さの問題なのにコメントしていまいすみません。でもやよいさんの書く小説楽しみにしてるのでこれからも読ませていただきますね！ (2020年3月22日 2時) (
レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - りょうさん» ご意見、ありがとうございます。なるべく分かりやすく文面には表記させてたんですが、確かに少し分かりにくい所もあるかと思うので極力改善させて頂きますね！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 台詞前に人物名を入れてもらえれば嬉しいです！！読んでいてとても楽しいです、これからも頑張って下さい。応援しています！ (2020年3月20日 19時) (レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - AYaさん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、待っててくださいね(>_<) (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ほくみなさん» 嬉しい感想くださってありがとうございます！壱馬くんと隼人、これからもバチバチなので楽しみにしててください。笑 宜しくお願いします！ (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月17日 23時
