Umbrella 3. ページ4
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｢ファン、って…｣
(え、何の話？)
先程から黙って聞いていれば、
常識が無いだとか、熱心なファンだとか
初対面なのに理解不能な台詞ばかり言われて
こちらとしても納得がいかない。
第一、私はこのマンションの住人な訳だし
追い出される筋合いも無い。
｢…ねぇ、ちょっと離して！｣
叫んで掴まれた腕を強引に振り払った反動で
ふらつき一歩後ずさる様な形になったけど、
怯まずに軽く睨みつけると、
彼はまたムッとした表情で冷たく言った。
『なに…？』
「………っ｣
(わ、綺麗な顔)
文句の一つでも言ってやろうと
強気で睨み付けた先、彼の整った顔立ちに
思わず戦う前に戦意喪失してしまった。
綺麗な顔で睨み返され言葉を失った私に、
彼は再び続ける。
『あんま、しつこいと警察呼ぶで？』
「……は？｣
(警察！？)
どうやら完璧に何か誤解されているらしい。
がしがし、と乱暴に頭を掻き乱して
大きな溜め息を吐いた彼は呆れた顔付きで
私を見つめている。
さすがにこれには
私も黙っている訳にはいかない。
｢ねぇ、｣
『…何？』
「さっきから意味が分かんないんだけど…｣
「何で私が警察のお世話にならなきゃいけないの？｣
満を持してそう言えば、
彼は今日何度目か分からない溜め息と共に
静かに言った。
『いやいや、今更何言うてるん…？』
『お姉さん、俺等のファンなんやろ？』
『こういうの、ほんまに迷惑やねん』
やから、早よ帰りや。
と、エレベーターを顎で示した彼の表情は
もはや怒りに満ち溢れていた。
『……………。』
「……………。」
外は相変わらず大雨で、
ザーザーと地面を打ち付ける雨がうるさい。
だけど今、私と彼を取り巻く空気は冷ややかで
驚くほど静まり返っている。
しばらく無言で睨み合っていたけれど、
冷静に事態を振り返ってみれば
ようやくぼんやりと
彼が言いたい事が分かってきた。
｢えーっと、つまり…｣
｢私が、あなたのファン、で…」
｢あなたの帰りを待ってたって、言いたいんだ？｣
なるほど、そう言う事か。
と、一人で頷いていれば
今度は彼の方が怪訝な表情をして首を傾げた。
『…変な女』
「はぁ！？｣
ぽつり、呟いた彼の言葉に
私の眉間には深い皺が刻まれた。
だが、一触即発となった所に
タイミングが良いのか悪いのかチーン、と
エレベーターが到着して扉が開いた。
『すいません！』
『お待たせしまし…』
『って、あれ？』
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
