S M I L E : )

Declation of War . ページ27

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テレビの音楽番組のスペシャル生放送。
それに参加させて頂く予定の俺達は
今、絶賛待ち時間の待機中。


控え室には全員が思い思いの時間を過ごしていて
相変わらず今日も騒がしい。
生放送というだけあって、
段取り通りには進まないのか
タイムテーブルで確認した出番より
少し時間が押しそうだ。



｢………はぁ、｣
(窓際が一番静かで落ち着く)



その一方で、
すでにメイクや着替えを済ませた俺は
窓際のソファにちょこんと座って
イヤホンをして今日披露する予定の楽曲と
歌詞の書かれた用紙片手に最終確認をしていた。



『北ちゃん、おーい、北ちゃんって！』


「ああ、ごめん、翔吾｣


『もう、さっきから何回も呼んでたんやで…？』



イヤホンのボリューム
ちょっと大きすぎるんやない？



なんて、眉間に皺せながら
ふにゃりと困ったように笑った翔吾。



「ああ、そうかも、ごめん…」
(でも今日は誰とも話す気分じゃなかったし)



控え室でゆっくりリラックスするには
これが一番の方法とはいえ、
翔吾の悲しそうな笑顔を見せられ
さすがにちょっと申し訳ない気持ちになった。


頭の中でそんな事を嘆きながらも
渋々イヤホンを外せば
翔吾は控え室のドアに軽く目配せをして、



『あんな、北ちゃんに珍しいお客さんが来てて…』



と、少し警戒した様子で
俺とドアに隠れるように立つ相手に
視線を泳がせながら翔吾は言った。



珍しいお客さん



と、わざと表現した翔吾の言葉が
やけに気になって何だか肩に力が入り、
胸がざわついた。



こんな風に
出会す事もあるだろう、って
何となく、
覚悟はしてたけど…





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