S M I L E : )

Declation of War . 2 ページ28

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『急にお邪魔しちゃってごめんね、北ちゃん』


『ちょっと話あるんだけど、』


『今って時間、大丈夫？』


「岩さん…｣
(やっぱり)



ドアから一歩踏み出して
ようやく姿を見せた岩さん。


その顔付きは笑ってはいるものの
どこか真剣な眼差しで…


それがまた、岩さんの整った顔立ちを
更に引き立てているかのようだった。


それすら、どこか悔しくて
嫉妬に似た感情が芽生えた俺は
無意識に立ち上がり、
ぎゅっときつく拳を握りしめていた。



「此処だとゆっくり話せそうに無いんで」


「場所、変えても良いですか…？」



岩さんの言葉にただそれだけの返事をして
控え室のドアに向かって歩けば、
岩さんがゆっくりと静かに頷いた。


すれ違いざま横目に視界に入れて
俺は控え室の通路をまっすぐに進んだ。



｢………。｣
(あれから、ナナと会ったのかな？)



半ば逃げるようにしながら
彼女の前から帰ってきたあの日以来、


俺は何故かあのカフェに行く事に気が引けて
ほんの少し、足が遠退いていた。
あれからもう2週間が過ぎている。


ナナからの連絡も、
これと言って無い。



｢…………。｣
(当たり前だよな)



全ては俺がきっかけで始まったんだから、
俺が連絡をしなければ
呆気なく連絡なんか途絶えてしまう関係なんだ


そんな事を改めて身に染みて痛感する事実に、
また重い溜め息が自然と口から溢れていた。



｢…………っ、｣
(告白前に玉砕って、さすがに笑えないし)



背後に岩さんの気配を感じながら、
テレビ局の屋上へ続く階段の一段一段が
今日はやけに重く苦しく感じて…


俺は、岩さんに気付かれないように
ひっそりと息を吐いた。





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