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I wanna be your boyfriend. ページ24

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「壱馬さぁ、和泉ナナって子知ってる！？」


『和泉ナナ…？』



あの日、ナナに岩さんとの関係を
直接聞く勇気なんて出せなくて
岩さんが空気を察して帰った後も
異様な空気がそこには流れていた。


自分が二人の邪魔をしたような空気感に
堪らず、逃げ出すように
そそくさと寮に戻ってきてしまった。


そんな俺はどうしても二人の関係が気になって
寮に着くなり一目散に壱馬の部屋へ
向かった訳で、



｢知ってたら、どうなるん…？｣



案の定、怪訝な表情をして
少し面倒臭そうな目付きを俺に向けた壱馬は
スマホを弄りながらベッドに寝そべっていた。



『いや、壱馬と会った事あるって聞いたからさ…』


「……で？｣


『でっ、て言われると俺も答えずらいんだけど…』



ナナの名前を聞いた瞬間、
僅かに壱馬の表情に変化があった事を
俺は見逃さなかった。


何故か多くを語ろうとしない壱馬の姿は
兄貴分である臣さんや岩さんの存在が
ナナにとって
益々、大きな意味があるような
そんな気分にさせられる。



『ごめん、やっぱ良いや、止めとく』
(やっぱり壱馬に聞くのは無理かぁ…)



壱馬の臣さんに対する尊敬ぶりは
半端じゃないし、
ナナと岩さんの間に
昔、何かあったとすれば
壱馬がそう易々と話したがる訳がない。



駄目もとで乗り込んだ壱馬の部屋で
一人肩を落として溜め息を吐き
部屋から出ていこうと背を向ければ、



『北人、まさかナナに惚れたん…？』



胸の中心部がどくん、と激しく脈打つ。
図星な台詞にどう反応すれば良いか
頭の中で目まぐるしい葛藤が起こっている。
駄目だ、上手く誤魔化せる余裕なんか無い。



｢……………。｣
(だって、本当は気になって仕方ないし)



ドアを開けようと伸ばした手を降ろし、
ゆっくりと壱馬に振り返る。


無言でこくりと頷いた俺は
思わず固唾を飲んで
壱馬の言葉を待った。
すると、



『ナナって、岩さんと昔付き合ってた子やろ？』


「………っ！｣
(やっぱり、そうか)


『まぁ、俺も会ったのは数回やし』


『詳しい事は知らんけど…』




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