イチャついてません ページ9
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ローレンは終始ふざけてるような口振りだけど真面目に話す時は少しだけ微妙に声のトーンが優しくなるから、今の言葉に嘘は無いんだなって分かる。
私と葛葉を見てローレンが嫉妬したなんて、そんな都合の良い展開はうっかり勘違いしそうになるからマジでやめて欲しいとこではあるなー、とかそんな事を考えながらぼんやりと物思いに耽っていると…
「おーい、そこのお二人さーん？んなとこでしゃがんでこそこそイチャついてねーで、さっさと商品持ってきてもらえますかねー？」
一向にドリンクとフードが届かないことにしびれを切らしたのか遠巻きから急に葛葉がそんな事を叫んできて。その葛葉の言葉が見事に深夜のカフェ店内に響いていって、思わず私とローレンは二人しゃがんだままちらりと顔を合わせた。
だけどすぐさまローレンは、私に向かってニヤリとほくそ笑んで見せるとぎゅっと私の腕を掴んで引き寄せるように立ち上がらせてきて、
「わぁ、もう、ガチで葛葉だりぃわー！せっかく今 、良いとこだったのにさぁ！邪魔すんなって、マジで」
なぁ、ナナー？
とか、私の名前を呼びながら葛葉に見せ付けるようにわざとらしく首を傾げると私を至近距離まで引き寄せたローレン。心做しか私を見つめるローレンの顔付きはかなりニヤニヤと楽しそうに笑っていた。
明らかに私のこと、からかってない？
なんなら、この状況も楽しんでるっぽいし。
うわ、なんかそう考えるとローレンの手のひらの上で踊らされてるみたいでちょっとムカついてきたかも…
『ねぇー、ローレン誤解生むような事言わないでってば！てか葛葉もマジで変なこと言わないでよね！もう私、ココア作んない。そこの新人ローレンにでもやってもらえばー？』
「ええっ、俺が一人で作るマ！？いや、お姉さん？俺まだドリンクの作り方、何一つ教えてもらってないで？」
「うぉーい、てめーコラァ！こちとらしっかり金払ってんのにココア作んねーのは職務放棄って奴じゃねぇんすかー？お姉さーん？」
『私、じゃっさんの分やるからローレンは葛葉のやつ作ってね！ココアくらい簡単だから教えなくたって作れるでしょ？』
「ねぇー、もうお前ら二人とりあえずナナに謝れってー！なんか知んないけどナナめっちゃ切れてるじゃん！何やってんだよ、もぉー」
ブチ切れた私にたじたじのローレンと未だに煽り散らかす葛葉。そこに残されたじゃっさんが悲痛な叫び声を上げるカオスな店内。
とりあえず、被害者でもあるじゃっさんには私の作ったコーヒーとアメリカンワッフル。そして、生意気な葛葉の元にはコールドカップに何故かホットの蓋が乗っかり、そして中身は冷たい牛乳に微量のココアパウダーが乗ったよく分からないドリンクがローレンによって届けられたのでした。
# 余談的なおまけ話＿＿
「ぶっ…！おいおい、マジかこれ。このココア、クッソ不味ぃんですけどー！つーかそもそもホットじゃねぇし、めちゃめちゃ冷めてんだけど、何これ？ローレンお前、このミルクちゃんとスチームした？」
「はぁ？スチーム？知らんて、そんな専門用語。そもそも、まだ何もやり方教わってねぇのに分かるわけねぇだろうが、クソが！」
「嘘でしょ？コイツ、ガチで終わってる！ローレンお前さぁ、多分だけどカフェ店員向いてねぇよ…」
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やよい(プロフ) - realさん» ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)閉店事件なんかすごい好きなんですよね。笑 同じ感覚の方が居てホッとしました。これからも頑張りますね！ (10月7日 8時) (
レス) id: 65ead64792 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - めっちゃ面白いです！わたしもlrnの閉店事件好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます(*^^*) (10月4日 21時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2023年9月26日 20時
