トイレまで一直線 ページ2
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何はともあれ先輩アルバイト店員の船橋さん(通称バッシー)からの話によれば、どうやらこれから私のワンオペ勤務かと思われた深夜帯に新人さんがやってくるらしい。
とりあえず何か新人さんの情報があるかもしれないとバックヤードに行ってみれば、私のロッカーには殴り書きのメモが船橋さんからしっかりと貼り付けられていて…
”オーダーに困った時のために
参考にビデオテープ撮っておいたから
新人来たら目通しておくように伝えろよ 船橋”
『いや、やってる事マジでエグいて、船橋…』
何故１ヶ月しか働いてない私に深夜のワンオペと新人教育まで押し付けるんだ！と、とりあえず脳内で悪態を付きながらも、結局まだ入って１ヶ月のペーペーの立場である私からすればバイトリーダーの船橋さんの指示に言われた通り従うしかなくて…
『えーっと、ドリンクメニューのチュートリアルと…』
(何だ、マニュアル用意してくれてるじゃん)
船橋もまぁまぁ良いとこあるじゃーん！なんて訳の分からない独り言を呟きながらもテレビの下の段に目を向ければ、確かにそこにはフードの提供の仕方とドリンクの作り方などのマニュアルらしきビデオテープが3本置かれていた。
とりあえずはコレがあれば何とかなる？
かも、しれない＿＿
そして勤務開始から早10分、15分…
時計の針がチクタクチクタクと進むのを時折視野に入れながらバックヤードでボーっと座ったままお客さんの来店を待っていると…
ガチャン…！
『…っ、わぁ！』
突如として、入口のドアが勢い良く開く音がした。そ
の音に反応して、びくりと体を震わせたもののお客さんだと思ってはひとまずカウンターに向かえば、
『……あれ？』
(お客さん、では無い感じ？)
ちょうど赤髪を1つに束ねた細身の男性が凄まじいスピードでトイレ目掛けて駆け込んで行くのが見えた。
あの勢いから察するに
限界までトイレ我慢してたんだろーなぁ…
そんな事を勝手に想像しながら連日の深夜勤務の疲れから欠伸を噛み殺しては涙目になる。
『眠すぎる…』
(ちょっとバイト詰め込みすぎたか、さすがに)
帰ったら明日締め切りの課題やんなきゃいけないの
めっちゃダルいな…
なんて思いながら壁掛け時計へチラりと視線を移して時間を確認。ここからまだしばらく閉店まで時間があることに1人絶望していたその時だった。
「あのっ…！」
『……ひっ！』
(ちょ、マジでビビったんですけどー！)
先程トイレに猛ダッシュした細身の男性がいつの間にかカウンターをすり抜けて私の目の前まで移動していた。
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やよい(プロフ) - realさん» ありがとうございます(˶' ᵕ ' ˶)閉店事件なんかすごい好きなんですよね。笑 同じ感覚の方が居てホッとしました。これからも頑張りますね！ (10月7日 8時) (
レス) id: 65ead64792 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - めっちゃ面白いです！わたしもlrnの閉店事件好きなので嬉しいです！更新楽しみにしてます(*^^*) (10月4日 21時) (レス) id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2023年9月26日 20時
