表 と 裏 / Y O U ページ46
.
「……もうっ、ばか！」
『あはははっ！いや、ごめんて。そんな怒らんとってや。
これでナナに嫌われたらマジで終わるわ、俺の人生』
「いや、さすがにそれは大袈裟すぎない…？」
『いーや？全然、大袈裟なんかじゃないね！
ナナはまだ分かってないみたいやけど…
もし、マジでそうなったら人生終わるから、俺』
「……っ、はいはい。もう分かったから！」
たった、この数秒で
どれだけ私の心を掴んだら気が済むのか＿＿
だるくんて、基本ふざけ倒してるくせに
急に真剣なモード入るとスイッチ入ったみたいに
声の質が明らかにワントーン下がるし、挙げ句の果てには
言うことまでバチバチにクールになるんだよね。
だから、平気でこういうこと言ってくるから
どこまでが本気でどこまでがおふざけネタなのか
判別出来なくて、全部まともに受け取っちゃって
一人で勝手に浮き足だって落ち着かないから困る。
怒らんとってや、とか、くしゃくしゃの笑顔浮かべて
さらっと言ってくるのも確信犯なのかすら分からない。
あと、さりげなく私の顔覗き込んできたかと思ったら
ナチュラルにまた優しく頭撫でてくる辺りも本当にズルい。
だるくんて、実はすごく女慣れしてるタイプなの？
それとも無意識にスキンシップ激しいタイプとか？
どちらにせよ、イケメンだから何しても様になってて
しかも、声までイケボなんだもん。
やっぱり、どこまでもズルすぎなんだって！
私の心臓、あとどれぐらい持つのかな、ってくらい
本気で不安になるから少しはその辺も配慮して欲しい。
「あ、そうだ、ウーバーの配達分渡さなきゃ！」
マンションのエントランス前でストーカーされた事で
すっかり配達中だってこと忘れてた。
そう思って、リュックから慌ててすき家のご飯を取り出すと、
『ははっ！ありがとな、俺もすっかり本来の目的見失ってたわ』
「あははっ！それ、絶対アカンやつよ。ほんまに何してんの？」
『おっ、出たなぁ。今日もナナの三重弁が、へへっ…』
私から商品の入った袋を受け取ると中身を確認しながら、
だるくんから
私が話した事に対して
それはもう嬉しそうに口角を上げて笑うんだ。
「何か、私がいつも三重弁喋ると嬉しそうよな。だるくんて…」
『えー？いや、そらそうなるやろ！
東京来て外出たら知らん土地やし、周りもみんな標準語よ？
そりゃ身近に同じ三重弁話す奴おったら嬉しいよ、普通にね』
「あー、確かに。私もだるくん見て、それ思った！」
私がだるくんと一緒に居て落ち着くみたいに
だるくんもそう感じてくれてたら良いな…
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 425人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やよい(プロフ) - 凛さん» 素敵とか言って貰えて本当に嬉しいです。感謝！笑 このお話、長くなりそうなのでのんびり付いてきてくださいね^^ (2022年10月4日 19時) (
レス) @page36 id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 作品が素敵すぎて完全に沼です笑 二人の絡みが大好きです❤ (2022年10月2日 23時) (レス) id: cf87f55bfc (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - nonさん» こちらこそ有難いお言葉です！一度お話書き始めると止まれないタイプなので、無理せずやっていきますね！笑 (2022年10月2日 15時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 音翔さん» ありがとうございます！思い付きで始めてオチも何も決めて無いですが、完結できるように頑張りますね！ (2022年10月2日 15時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
non(プロフ) - 素敵な小説読ませて頂いてありがとうございます！めちゃくちゃドキドキします！更新が待ち切れないですが、お忙しいとの事体調等お気をつけてくださいね！楽しみに更新待ってます！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page25 id: 0a181b56cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やよい
| 作成日時：2022年9月27日 23時
