＿＿Secretive. (秘密主義者) #1 / drm

近 く て 遠 い / D R M ページ42

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「あぁっ、ちょっ、おい、お前こら！そこのだるま、待てぇ！」



『えっ？何なに？どうしたん、ありさか？んへへっ…！』



「いや、何か、おかしいよな？さっきからな？ん？
俺がちょっと大人しく話聞いとるからってな？」



『…ええ？何の話よ、ありちゃん』



「いや、なんか、さっきから話の隙間見ては
ちょいちょいナナさんの自慢話はさんできてたやろって！
べた惚れやんか、マジでお前もう終わってるわ。はははっ！」



『んふふふ、えー、そうかな？俺もう終わってる？』



「うん。マジで終わってる、もう手遅れや。
さっさとナナさんに打ち明けて華々しく散ってこい！
骨ぐらいは拾ったるから、俺が。んふふっ…」



『いや、振られる前提で話すんのやめてもらって良いかな？』




えーっと、たった今ありさかから
手遅れやって、烙印押されちゃいました。
はい、もうこれ、完全アウトです。



けど、マジな話するとさ＿＿




『なぁ、ゲーマーって職業と、漫画家ってさぁ
ジャンル的に捉えたら、ちょっと微妙に距離感近くないか？』



「は？いや、遠いやろ、それは。
全然ジャンルも違うし、普通に遠いと思うけどな。
てか距離感で測るのはさすがに無理あるぞ、お前」



『ええ？そうかな？俺はあんま、そうは思わんけど…』




何だかんだで俺と似たような生活リズム送ってる事とか
あと、今後ナナの書いた漫画が人気出たりしたら
それがアニメ化になったりするでしょ？
あとはまぁ、それが飛び火してゲームになったりとか…？




『んー、アカン。俺、軽くパニックなってきたって…』



「はははっ、自分で都合良く解釈しすぎや、だるま！」




ありさかは全然遠いやろ、ってまたゲラゲラ笑ってたけど
何となくざっくりとジャンルとして捉えた時に
まぁまぁ近い職業かなって、俺は思ってたって…



でも、そう思ってたのは、まさかの俺だけやったみたいやわ。
自分に都合良く考えすぎてたか、さすがに。
でもそうやって思わんと、やってられんってとこもある。




「まぁ、とりあえずこの話は、終わっとこか…？
距離感について語った所で何も身にならんやろ」



『確かに、それもそうか』



「そんな焦らんでも、ゆっくり進めばええんとちゃうか？」



『あー、ねっ？そうっすよね？まだそんな焦る時期では無いか。
ぶっちゃけ、俺等まだ知り合ったばっかやからな』



「そうそう。その調子や、だるま。
無駄に焦っても何も良い事無いからな、ゆっくり行くべきよ」




焦らずにゆっくり、か＿＿



確かに、それは一理あるわ。
何で、俺こんなに焦ってたんやろ。







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