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「……っ、」
(なんて綺麗に笑う人なんだろう…)
綺麗に通った鼻筋、
大きな瞳にくっきりとした瞼
顎のラインはシャープ
端整な顔立ちは文句の付け所もない
少し無口な感じで一見クールそうな彼だけど
隠しきれてない優しそうな物腰に
思わずしばらく見惚れていた…
すると、
『その制服、清邦女子か…』
一度視線を流して私の着ていた制服に気付いた彼は
少し表情を険しくさせながらそう問いかけた。
何か引っかかる所でもあったのか、
溜め息まじりに吐き出されたその言葉に
恐る恐る、
「え、あ、そうだけど…」
と、言えば彼は再び真剣な表情をしながら
私の顔を見つめて口を開いた。
『お嬢様学校の奴が出歩く時間じゃないだろ…』
『この辺り、夜んなると治安悪いんだぞ』
「え、いや、今日はたまたま遅くなっただけで…」
一体、何を言われるのかと思いきや
どうやら彼は彼なりに
私の身を心配してくれているらしかった。
灰色のズボンのポケットに両手を突っ込み
一度夜空を見上げた彼はまた溜め息を一つ溢して、
『…なら、家まで送る』
「あ、ありがとうございます…」
「…って、え！？」
「いやいや、そこまではさすがに…」
あまりにもすっと自然に言うから
思わず、受け入れてしまいそうだったけど
よくよく考えてみれば見ず知らずの人に
そこまでしてもらう理由も無くて
戸惑って、どうしようかと狼狽えていると、
『このまま帰して何かあったら俺が嫌なんだよ』
『だから、お前は何も気にすんな』
「…や、でも本当に、」
「名前も知らない人にそんな事させるなんて…」
最もらしい理由を付けて
全く引き下がろうとはしない彼に
それでも尚、申し訳ない気持ちで食い下がれば
苦笑いを浮かべる私をじっ、と見つめたまま
彼はふぅ、と息を吐くと徐に口を開いた。
『…上田佐智雄、鳳仙学園の２年だ』
『で、お前は…？』
名前も知らない人、という言葉を聞いて
きちんと名前を名乗ってくれる辺り
きっと悪い人じゃない。
言葉は少ないけれど、彼の口から出てくるのは
さっきから優しい台詞ばかりだった。
だから、何となく自然と私も警戒心が抜けていく。
「え、あ、AAです」
「もうすぐ卒業だけど、清邦女子の３年で…」
そこまで口にした所で、ん？
と、先程彼が言った学校名を思い返す…
そういえば彼の着ている制服は、
白いラインの入ったグレーのブレザーにパンツ。
間違いない、これは殺し屋、鳳仙の物…
．
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やよい(プロフ) - あゆさん» あゆさん→コメントありがとうございます。あと少しで最終話にたどり着く予定なのでもうしばらくお待ちください(^-^)楽しみにしてくださって本当にありがとうございます！ (2020年1月2日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 続きが気になります (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1e4a476949 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 聖菜さん» コメント下さってありがとうございます！佐智雄メインが探しても無くて作ってしまいました、笑。この先まだまだ長くなりそうですが頑張りますね☆ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 凄く感動しました！続きが気になりますが無理せず更新頑張って下さい (2019年12月21日 9時) (レス) id: c9df35a019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2019年12月17日 22時
