Keep a distance 2. ページ28
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『あれっ、佐智雄？』
『偶然だね、またこの歩道橋で会うなんて』
「……っ、Aか、どうした？」
背中越し、聞き慣れたAの声がして
さっきまで考えていた事を悟られたくないと
平静を装ったはずの俺の声はどこか覇気がなく、
その顔もきっと曇っていたんだと思う。
その証拠に、
『どうしたって、佐智雄こそ何かあったの？』
「…いや、別に、お前には関係ない」
そう答えたって、変な所で鋭いこいつには
もうお見通しだ。
案の定、何時もと違う俺の姿に
Aの表情が一気に陰っていくと、
そっと俺の腕に触れて
そのまま俺の胸にしがみついた。
『でもっ、何か、辛そうな顔してたよ…？』
『それって、私にも話せないような事なの…？』
「……………。」
(気付くなよ、馬鹿)
眉間に皺を寄せながら俺を見つめ
何故か泣きそうなAの表情は
夕陽に照らされ、
その整った顔をより引き立てていて
こいつ本当に綺麗な顔してんな
と、素直に思った___
『私、頼りないと思うけど…』
『何か出来ること、とか、あったら言って？』
『私だって、佐智雄の力になりたいよ…』
「……っ、A」
俺の着ている服をきゅっ、と握りしめ
赤い目をして必死にそう言った
Aのいじらしさに胸が詰まり、
溜まらず俺はAをきつく抱き締めた。
そしてAの頬に両手を添えて
ぐっ、と距離を近付けて
その綺麗な顔をしばらく眺めてから
俺はAに唇を寄せた…
『……っ、ん、佐智』
「うるせぇよ、少し黙ってろ…」
『…でも、…っん』
Aは親御さんの育て方が良かったのか
変な風にスレてなくて真っ直ぐな性格だ。
明るくて、良い意味でマイペース。
だからこそ、俺のせいで
お前が傷付いて苦しむ姿は見たくなかった。
「…………。」
(どうしようもないくらい、Aが好きだ)
だったら、やっぱり、
俺のやるべき事は一つしかない。
どれくらい唇を合わせていたのか分からない。
お互い少し、息が上がっていた。
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やよい(プロフ) - あゆさん» あゆさん→コメントありがとうございます。あと少しで最終話にたどり着く予定なのでもうしばらくお待ちください(^-^)楽しみにしてくださって本当にありがとうございます！ (2020年1月2日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 続きが気になります (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1e4a476949 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 聖菜さん» コメント下さってありがとうございます！佐智雄メインが探しても無くて作ってしまいました、笑。この先まだまだ長くなりそうですが頑張りますね☆ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 凄く感動しました！続きが気になりますが無理せず更新頑張って下さい (2019年12月21日 9時) (レス) id: c9df35a019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2019年12月17日 22時
