He loves her 2. ページ15
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ふざけた物言いをする割に
こう見えて、こいつはかなりの策士だ。
頼りないようで頼りになる奴なのも確かで。
だから、
「…ああ、その時は頼んだ」
『……へぇ、』
小田島の言葉を汲み取って静かに頷いて言えば
俺の言葉にふっ、と息を吐いた小田島が
麻雀パイを俺に向かってひゅっ、と
素早く投げたのを落とすことなく受け止めた。
すると、
『あーららぁ？』
『佐智雄ちゃん珍しく弱気…？』
サングラス越しにやり、とわざとらしい笑みを
浮かべながら口角を上げた小田島に対し
少しだけ、ムッとしつつも…
「おい、お前、一回死んで出直すか…？」
麻雀パイをぶっきらぼうに小田島に投げ返して
指を鳴らしてぎゅっ、と拳を握りしめながら
半笑いでそう言えば、
『はははっ、嫌だよ、冗談きっついなぁ…』
なんて、苦笑いを溢した小田島は
麻雀卓に視線を戻して顔を逸らした。
そして怠そうに笑いながらひらひら、と手を振り
『まぁ、お前なら大丈夫だろ…』
「…ああ」
珍しくまともな口調でぽつり、と溢れた一言に
小さく頷いた俺はそのまま道場に背を向けると
そそくさと外に出た。
そして、ついに
他校の奴等と最後の平和協定を取り付けた
そんな日の帰り道、
俺はAに出会ったんだ___
『…っ、わぁ！』
「……っ、あぶねぇ」
始まりは歩道橋。
この日を境に、俺の中で何かが変わった気がした。
***
「A、お前歩くの遅っせぇ…」
『違っ、佐智雄が早すぎるんだってば…』
あの日、歩道橋から落ちかけた所を助けたそいつは
なかなか人懐こい性格だったようで、
簡単に俺の懐に飛び込んで、距離を詰めてきた。
現に今も、そうだ。
『あ、ねぇ、今日もすっごい楽しかったね！』
「…俺は、今日も疲れただけだったけどな」
『えー？その割に結構歌ってたじゃん』
「お前が勝手に曲入れるからだろ、っとに…」
こうして、事ある毎に
俺をカフェやファミレス、
今日に至ってはカラオケに呼び出されて
特に意味のない会話に延々と付き合わされたり
馬鹿みたいにカラオケを歌わされると
今度は待ってましたと、ばかりに
お決まりの夜道を送らされていた。
「…つーか毎回毎回、呼び出すな、うぜぇ」
「俺はお前のボディガードじゃねぇぞ…」
初めて会った日に連絡先を聞かれて
教えた途端に、これだ。
はぁ、と溜め息まじりに言った所でこいつに
効果なんかある筈もねぇ…
その証拠に、
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He loves her 3.→←He loves her.
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やよい(プロフ) - あゆさん» あゆさん→コメントありがとうございます。あと少しで最終話にたどり着く予定なのでもうしばらくお待ちください(^-^)楽しみにしてくださって本当にありがとうございます！ (2020年1月2日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 続きが気になります (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1e4a476949 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 聖菜さん» コメント下さってありがとうございます！佐智雄メインが探しても無くて作ってしまいました、笑。この先まだまだ長くなりそうですが頑張りますね☆ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 凄く感動しました！続きが気になりますが無理せず更新頑張って下さい (2019年12月21日 9時) (レス) id: c9df35a019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2019年12月17日 22時
