He loves her. ページ14
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鳳仙学園、時は３月___
『佐智雄、お前が次の頭だ』
『鳳仙の事、任せたからな…』
「…はい、分かりました」
俺の前に頭を張っていた先輩に
そう言われたのは
卒業を目前に控えた３月だった。
他の奴等もその言葉に反論することは無く
俺は鳳仙の頭を任される事になった。
「沢村、後頼んで良いか…？」
『佐智雄、今日も抜けんのか？』
ここん所、毎日のように放課後になると
そそくさと道場から立ち上がって
何処かに消える俺に、今日も行くのか？と
ばかりに少し心配そうな顔をした沢村が
問いかけると、その言葉に頷いて詫びを入れた。
「…ああ、悪ぃな」
「少し、やる事がある」
『…そうか、気を付けろよ？』
『お前が次の頭って事、他校の奴等にも』
『もう伝わってる頃だろうからな…』
「…おう、分かってる」
だからこそ、やる事があんだよ。
因縁のある鈴蘭は
もうこの際しょうがねぇとしても
俺の代ではこいつらに
無駄な争いはさせたくねぇ…
だから、ここ最近は他所の学校回って
その為に出来ることをやってる。
まぁ、きっとさっきの沢村の口振りからして
こいつはきっと薄々勘付いているんだろう。
その意味を含めての、"気を付けろ"
という言葉に、俺は静かに頷いた。
そんな会話を交わしていると、
『クソっ、また今日も佐智雄の一人勝ちか！』
『仁川が弱ぇんだろ？ははっ！』
『志田っ、お前は毎回うるせぇんだよ！』
『いや、お前が一番うるせぇだろ、ったく…』
麻雀卓を囲んだ仁川と志田の言い争いを横目に
その横で麻雀パイを一つ手に取り
それをまじまじと眺めながら
此方を見ることなく小田島が口を開いた。
『佐智雄、最近付き合い悪くねぇか〜？』
『まーさか女出来たって事でも無さそうだし？』
『毎日、何処で何やってんだかなぁ…』
間延びした独特な喋り方をする小田島も
恐らく、俺が一人で動いている事に気付いてる。
そこまで言って、ちらり、と此方に視線を流した
小田島の "知ってんだぞ、俺は"
と、遠回しにアピールするような鋭い眼差しが
そのサングラス越しに覗き見えるものの…
『まっ、何かあったら連絡ちょうだいよ』
『俺等、何時でも動けっからさぁ〜、な…？』
じき、鳳仙の頭になる俺に何かあったら
何時でも束になって駆け付けるようにしておく。
濁すような言い方だが、小田島なりの配慮だろう。
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やよい(プロフ) - あゆさん» あゆさん→コメントありがとうございます。あと少しで最終話にたどり着く予定なのでもうしばらくお待ちください(^-^)楽しみにしてくださって本当にありがとうございます！ (2020年1月2日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 続きが気になります (2020年1月2日 22時) (レス) id: 1e4a476949 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - 聖菜さん» コメント下さってありがとうございます！佐智雄メインが探しても無くて作ってしまいました、笑。この先まだまだ長くなりそうですが頑張りますね☆ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
聖菜(プロフ) - 凄く感動しました！続きが気になりますが無理せず更新頑張って下さい (2019年12月21日 9時) (レス) id: c9df35a019 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2019年12月17日 22時
