【銀魂】おやすみ、愛らしい人よ

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自室のペン立てからボールペンを抜き取り


御を消してから出席しますを丸で囲む



葉書の表の行も消して書き直し


日時を確認してから、それを鞄に入れた






『今日は買い物して、葉書を出して……』





冷蔵庫の中を見ながら


必要な物を頭の中に思い浮かべる




すると銀時が、あのお気に入りの缶詰を前足でつついて


買ってくれと言いたげに何度も鳴いた





『欲しいの？


うーん……安くなってたらね』





いつものも美味しいでしょ、と喉を掻いてやれば


気持ちよさそうに目を細める







『はい、おしまい』





買い物に行ってくるね、と立ち上がれば


行ってらっしゃいと言うように、お座りして尻尾を振ってくれた




玄関を出て、エレベーターに乗る



後ろを振り向けば

そこからは朝の街並みが見えた




ため息をついて、硝子窓に背中を合わせる



指先で唇に触れたが


そこにはまだ、昨日の感触が染みついていた





あの時、嘘でも想いを伝えてくれていたのなら


まだ私は頑張れたのかもしれない




……なんて、嘘が嫌だって言ったのは私なのに





それでも嘘をつけない彼は


意地が悪くて、誠実だった

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