君のいる世界 another story ～1～ (ページ31)

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タマと仕事で顔をあわせると妙に気まずくなってしまう。

本当のことを聞いたわけじゃないから、タマを変に恨んだりとかそういうの違う気がして

かといって、直接聞くわけにもいかないし。

「どした？俺、なんか顔についてる？」

俺、そんなこと考えながらタマの顔凝視してたらしい

「いや、別に」

「そ」

「ニカ、最近よくぼーっとしてない？」

そう聞いて来たのは千賀だった

「いや、大丈夫」

「話したいことあったら言えよ？」

千賀はアホみたいに親切な時がある。

金持ち特有の余裕？みたいなの、すごい感じる

変な壺とか買わされないといいけど

「ニカ、俺、ニカに変なことずっと言って本当申し訳ないと思ってる。」

メンバーが楽屋をぞろぞろと後にしたタイミングでタマがそう口を開いた

「本当、ニカにそういう気なかったかもしれないのに早合点してたっていうか。だから、なんか変な感じにさせてごめんって思ってる。」

どうやら、俺がぼんやりしてるの、そのせいだと思ってるらしい。タマは。

まああながち、というか全然間違ってはないけど

今聞きたいのはそんなことじゃない

「いいよ、別に。気にしてないし。」

言葉と裏腹に、タマをさらに疑ってしまう

Aと、あの男が付き合った瞬間、俺にこう言ってくるって

タイミング良すぎない？

偶然とは思えないんだけど

こんなこと思っちゃう俺ってもしかして性悪なのかもしれない

タマはただ単に俺に申し訳ないって思って言ってるだけかもしれないのに。

「そか。ならちょっと安心したわ。ニカが元気なくてガヤガヤしててくれないとなんか調子狂っちゃうからさ。」

「ああ、ごめん。最近寝不足で」

「ちゃんと寝ろよ？俺なんか毎日８時間睡眠だよ。じゃ、俺も帰るわー。またなニカ」

「おう、また」

俺も帰ろうってかばんに手を突っ込んだ時、俺のじゃないアクセがポケットに入ってることに気づく

柴咲さんが飲んだくれて外してたアクセをそのまま無くさないように持ってたんだった…

忘れないようにってそうしたのにそれすら忘れてた

それぐらいあの日は衝撃的だったから仕方ないか。

時間見つけて、また渡しに行こう

んで、あわよくばAに会えたりしないかな

って、恋したての女子中学生か俺は！