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その後もいいペースで飲み続けた柴咲さんは
案の定千鳥足になるほどベッロベロに酔っ払うから
タクシーを捕まえて、行き先伝えさせて見送る
そんな柴咲さんを横目に
いくら飲んでも酔えない自分
さっき言ってた柴咲さんの予想が本当なら、
俺はそういうAの気持ちにはもちろん、俺のAへの気持ちとも向き合わず逃げ出したただの根性なし
やっぱりタマに言われようと怒られようと何しようと
Aと距離詰めるのやめてなければ
Aをアイツに取られなくて済んでたかもしれない
でも本当は
久しぶりにあったあの日も、口実で作ったブレスレットを取りに行った日も
Aに近づこうって下心もって行った割には
1年半前のキスの日からAの俺に対する印象が変わっちゃってるんじゃないかって
その核心に触れるのを怖がってたと思う
確実にあの日までの俺らは、ふざけあって心から笑いあえるような
そんな楽な関係だったはずなのに
俺のよこしまな気持ちと衝動的なキスのせいで
全部台無しになっちゃったんじゃないかって思ってたから
それを確かめることが怖かった
色々考えてもひっかかるのは
タマが、あの男に協力的だってこと
深い考えがないのかもしれないけど
今の俺にとっては色々疑う余地があっても仕方ないっていうか
それくらいに条件が揃いすぎてる
俺にAに近づくなって言ったり
その代わりにあの男をAの近くに置いて見たり
考えすぎって言われるのはわかるけど
やっぱりタマにも思惑があるように思えて仕方ない
そんなことを考えては打ち消して、また考えては打ち消してって繰り返してたら
いつのまにか外は明るくなってた
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作者名:だだ | 作成日時:2017年5月15日 19時