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Aが、あんまり可愛く綺麗になってくもんだから
イジるにもイジれなくなって意識しちゃうオレ


そんな自分を認めたくなくて、タマんちに誘われても行かなくなった




理由はもちろん、そんな子供じみたもんだけじゃない






仕事の方がツラかった

後輩にまでデビューの順番抜かされたりして
それだけだったらまだしも


自分のグループん中での立ち位置見失って
正直もうやめたかった


でもやめるにも、もう学校も行かなくなってしばらく経ってたし外でバイトした経験なんてもちろんないし



オレ、このままどこ行くんだろ



楽しく歌って踊って女の子にファンサして

それだけでオレの人生うまく行くなんて思ってたんだけど





それまで楽しかった歌やダンスやローラーが一気に色をなくして、だんだん手抜くようになってた

適当にやってるように見えた方がかっこいいかもなんて思ったこともあった




ステージが終わるたんびに北山に呼ばれて説教されて

もうコイツに言ってやろうかって思った、『やめたい』って



オレなんかよりもっと焦ってるだろうにこいつはなんでこんな熱くなれんだろって思ったけど

北山は北山でリーダー的ポジションがある
キスマイを負ってるって自負があんだろう

だからこうやってぐちぐち言ってくんだろう




オレは、いなくちゃいけない存在?




そんなオレに決定的な日がやってきた

少クラ収録の日に、コーリング歌ったんだけど
今日もやっぱやる気出なくて適当にやった

明るい歌だけど、明るいフリも出来なかったから、一人だけ笑いもせずにいたら案の定、北山に呼ばれる



「お前、さっきの何なんだよ。」


「何がだよ」


「オレ何回お前に言ったよ?そんなんじゃダメだって」


「しらねーよ、オレはちゃんとやった」


「あれがお前の『ちゃんとやった』なのかよ。ふざけんな。お前、他にも迷惑かけてるし、何よりお客さんのこと考えろよ」


「迷惑なんてかけた覚えねーから。あれがオレのやり方なの。口出すんじゃねえ」


「わかったよ。じゃあもうやめちまえ。今までやってきたことチャラになってもいいなら。」


「あぁ、そうかよ。どうせオレなんかキスマイにいらねーもんな。すぐにでも、やめてやるよ。言う通りに」




北山がオレのために言ってくれてることは、薄々分かってる


だけど今のオレには、それに純粋に答えるほどの気持ちが残ってないんだ



"やめてやる"

そう言い残して、強めにドアを閉めてスタジオ後にした

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作者名:だだ | 作成日時:2017年5月15日 19時

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