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「何でAはその好きだった人忘れようとしてたの?フラれたの?」
「え…?いや、それは…」
「ちゃんと好きって言った?」
「言ってないけど…」
「言ってないのになんで勝手に忘れようとしたの?」
「何でだろう…」
「誰かに譲ったとか?また気使って、そうしようと思ったとかだろ」
これは…本当に好きだった人がタカ兄だったなんて言えないよ
墓場まで持ってく覚悟を決めた
裕兄ちゃんだけが知っててくれればいいや
「とにかく、今言ったみたいな感じで付き合ってたの。だから、私が悪いの全部。」
「私が利用してた挙句に、ちゃんと好きになってあげられなかったから」
「だから、多少傷つけられても文句なんて言えなかったの」
「もう…ねむいから、寝てもいい?」
ほんとは少しも眠くなんてなかった
勝手に完結した私をぼーっと見つめてるタカ兄
眠いフリして目を閉じようとした
そしたら大きな手が降ってきて、
そっと私のおでこをなでてくれた
それが心地よくって本当にねむくなりそうだった
「寝ちゃう前にさ…もう1個だけ聞いていい?」
頭を少しだけ動かして頷いた
「その、本当に好きだった人って、誰だったの?」
やっぱり眠くなんてなかった
むしろ目はギンギンに冴えて
暗闇の中でそんな質問をしてくるタカ兄の顔を見ようと
必死で目を凝らした
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作者名:だだ | 作成日時:2017年4月22日 23時