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プルルルルル…
ベッドサイドの棚の上でスマホを手探りで探すけど
いつも置いてる場所にスマホがない…
ぼんやりした頭でふとここがタカ兄の家だということを思い出した
時計は12の針を指していて、まだ日付も越していないことが分かった
寝ぼけた頭で22時くらいに酔っ払って寝たのは思い出せた
でもベッドに来た記憶はない
けど、隣にはタカ兄。
…？
と…となりには、タカ兄！！？！？
「え、！？」
ガバッと起き上がって服を確認
まあ普通に着てるわな。
一安心すると、一度切れた着信が再びなりだした
プルルルルル
音は聞こえるけどどこにあるかわかんない
「ん……どした？」
起こしちゃった…！！
薄目をあけて手で顔をこすりながらこっちを見るタカ兄
寝起きのタカ兄の想像以上の破壊力
寝ぼけてた頭が一気に覚醒した
「ごめん、スマホが鳴ってて」
「あぁ、スマホ、あっちだけど」
寝室のラグの端っこの方に落ちてる私のスマホを指差して言った
取りに行こうとすると手首を掴まれた
「やっぱ…」
「やっぱ無視して寝てりゃいいじゃん」
「え、でも…」
「こんな時間に電話してくるのなんてほっときゃいいよ」
そう言ってベッドに戻そうとするトロンとした目のタカ兄
ああ神様、もういっそここで殺してください…
勘違いでも、本気で祈りたいくらいしあわせだった
とはいえ眠気なんてどこか吹っ飛んでってしまった
タカ兄のこんな顔見たらドキドキして寝てるどこじゃないでしょ！
そこらへんにあったクッションを抱きしめて
目を閉じてるタカ兄見ながら悶え苦しむ
そしたらまたスマホが鳴り出した
チラッとタカ兄を見るとまた薄目をあけてウザそうに私のスマホを見てる
「ごめん、やっぱり見てくる」
スマホを拾って見ると
さっきまでの幸せな気持ちが一変
ディスプレイに『碧人さん』の文字
手が勝手にスマホを放り出し
へなへなと足の力が抜けてそのままラグに座り込んだ
え？いつのまにこんなに碧人さんのこと、怖がるようになったの？
自分でもわからなかったけど
とりあえず息が苦しくなって来て
全身が小刻みに震え出した
とてもじゃないけど、電話には出れない
「どうした？」
「おい！A！」
タカ兄がベッドから出て来て必死に呼びかけてくる
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作者名：だだ | 作成日時：2017年4月22日 23時
