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「難しく言いすぎたけど、Aは気遣う事に関しては天才的だけど、甘えるのが下手すぎってことだな。」
「え?」
「それじゃモテねーっつうの。女の子はちょっとわがままな方がいいとか言うし。」
「それ、女の子が言うセリフじゃないの?(笑)」
「…とにかく!甘えられる人を見つけろってことだよ。タマでもタマんちの家族でも、今全く知らないやつでも」
「分かった…」
人にとっては簡単なはずなのに
私にとっては難しいことなのかもしれない
「あ、あと、うちドライヤーないから。ごめん。」
「ビール飲んじゃったしやっぱ帰してやれないわ〜。」
ハスキーで低い声がいつもより何だか色っぽく聞こえて
言ってることもなんか甘ったるくて
『帰るな』ってこと?なんて勘違いしそうになったからおもいっきり太ももつねってみた
「痛っ!」
「はっ!?何してんの!?」
「こっちの用事。ビールもう一本ちょうだい!」
「お前さぁ(笑)甘えろっつったらいきなりそんなんなるの?買いかぶりすぎたわ〜失敗した」
なんて言いながらも笑って、さっきのと同じのを一本手渡してくれる
自分のこと話して、ここまで考えてくれる人も初めてだった
しかもそれが、全部透視されてるかもって思うくらい当たってるとこおおくて
それがなんか裸にされたみたいで恥ずかしかったから渡されたビールを一気にぐびぐび飲んでみた
「誰も取ったりしねーからゆっくり飲めよ(笑)」
一気に飲んでみたはいいものの
ビールが通った喉だの食道だのが全部熱くなってって
顔にも熱が集まってきた気がする
その次の瞬間突然睡魔に襲われた
「……ねむい」
「は?お前ほんと赤ちゃんかよ!?」
「そうかも、」
「そうかもじゃねー!寝るなよ!」
「もーむり、、眠い」
まぶたが勝手に落ちてくる…
そこで私のその日の記憶は終了。
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作者名:だだ | 作成日時:2017年4月22日 23時