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おばさんもおじさんも裕兄ちゃんも達也も優しくて、本当の家族みたいにはしてくれたけど
私には彼らに完全によりかかることは到底できなかった
どっかで自分はいつも邪魔なコだと
潜在的な思いがあったから
だから無意識のうちに人の迷惑にならないように。
そうやって出来るだけ気を使って生きてきたんだと思う
「ごめんね、重い話聞かせて。」
「ドライヤー貸してもらっていい?やっぱり髪乾かしたら、帰るね!」
うつむいたままのタカ兄に話しかける
「Aさ…」
「…なに?」
「タマたちはそりゃ、本当の家族みたいにしてお前のこと大事にしてくれたかもしんないけど、逆にAは向こうのこと本当の家族だと思ってた?」
「どういうこと?」
私、今、怒られてるの?
「そのまんまだよ。ぶっちゃけ、そこに預けられてるだけって感じだったんじゃないの?」
「なんでそんなこと言うの?」
「ごめん、今のは俺の言い方が悪いわ。」
そう言って頭をグシャグシャするタカ兄
「ん〜…なんて言うか、俺、今の話聞いて、何か納得したんだよね。」
「昔からずっと不思議だったんだよ、お前が何でそんな良い子なんだろうって。」
「俺なんか家帰ってもウダウダして母親にババアとか言ったり親父にも足くせえとか文句言ったり、ましてや手伝いとか絶対しないし。」
「なのにタマんち行くと、お前ほぼいつも、タマの母ちゃんの手伝いしてるし。ゲームの順番だって、おやつ食うときだって一番に取ったりしないし、んでタマとか弟の分なくなったらあげたりしてさ」
「最初はただ良い子なんだって思ったよ。天使レベルで。」
あんまり真面目な顔してそんなこと言うからちょっと笑っちゃった
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作者名:だだ | 作成日時:2017年4月22日 23時