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「ごめんな、いきなり」
「ううん。」
「碧人さんのことで聞きたいって…何を？」
「いや…特にどうとかではないんだけど、一応聞いておきたいことがあって」
「一昨日、A結構酔ってたじゃん？そん時に碧くんとのことボヤいてたんだけど、それは覚えてる？」
「ぜんっぜん覚えてない…」
「やっぱりな。じゃあ単刀直入に言うわ。ぶっちゃけ碧くんとうまくいってるの？」
「……」
なんて答えていいかわからない
YESかNOなら、迷わずNOだけど
そこに至るまでのプロセスは一言では収まらない
大きな原因はたぶん私にあるし
「その感じだと、うまくいってないんだな」
「俺さ、Aがその……ニカ？のことを好きだって言ってた時、それだけはダメだって思ったんだ。」
「なんで？」
「Aも、いつも迷惑かけないようにってまだ高校生とかだったのにニカだけじゃなくて俺らに気使ってくれてさ、申し訳ないって気持ちだったんだけど。」
「もしAがニカと付き合うってなったら、Aは幸せな思いするよりかは、辛い思いとか我慢とかたぶんたくさんさせられてた」
「そんなの……そういうことになってみないとわからないでしょ」
「そうなんだけど、俺が見る限りではAはハンパなく気が回るし、人一倍気を使う子だからさ。もしニカと付き合えてても周りの目気にしたりして楽しくデートしたりとかできないんじゃないかとか思うと、お兄ちゃんとしてはもっと幸せな恋愛して欲しかったんだ」
「それで？碧人さんとのこと応援したの？」
「多少はあった。ニカとじゃなくて、碧くんとの方がっていう気持ちは。」
もちろんタカ兄と付き合うだのの前に、タカ兄と両想いだって保証はない。
だから私が気持ちを打ち明けていたとして、付き合ってる可能性はゼロだったかもしれない
無駄に傷つける前に、裕兄ちゃんはすくってくれようとしたのかな
「ありがとう」
「…え？」
「どっちにしろ裕兄ちゃんは私が傷つかないように、そう思ってしてくれたことでしょ？」
「そうだけど…」
「だし、裕兄ちゃんは碧人さんと無理やりくっつけようとしたわけじゃないし。流れをただ応援してくれてただけでしょ？」
「まぁ…うん。」
「なら尚更だよ。ただ、普通の恋人たちみたいに、すれ違いはあるよ？三年以上付き合ってるって言っても。それは仕方ないことじゃん」
「じゃあ、最後にもう一つ聞かせて」
裕兄ちゃんは決意を持った目でそう言った
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作者名：だだ | 作成日時：2017年4月22日 23時
