君のいる世界～2～ (ページ15)

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右手の薬指に、いつものアクアマリンの指輪

前はこっちに来てもらったけど、今日は加藤さんとエイ○ックスの方に出向くので、
一度会社に寄ってから、昨日用意しておいた書類を不備がないか再度確認して、加藤さんと気合を入れ、六本木へ。

仰々しいエントランスで綺麗な受付嬢のお姉さんに用件を伝えると、「お待ちしておりました」と迎え入れられた

「お忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。本日は横尾さん、藤ヶ谷さん、玉森さんにいただいた衣装案を元に、当方のデザイナーがデザイン画を作成させていただきました。佐々木さん、お願いします」

千ちゃんと目が合うと、口元をもじもじさせて
ニヤニヤしてこちらを見てくる

「よろしくお願いします。」

そう言いながら、一人一人の前のデスクに書類を置いていく

次々配って行くと、デスクの上に乗せられた両手に、見覚えのあるリングを見つけた

タカ兄が柴咲さんにオーダーしたもの

案の定、その両手はタカ兄の手だったけも
資料を配った自分の右手に同じ石の入ったリングがはめてあることに気づいて
咄嗟に手を引っ込めてリングを外した

顔に熱が集まってキョロキョロしていると
向かい側に座っている太輔さんと目が合う

ニコッと笑って
視線は下のタカ兄へと移る

口元がわずかに動いて、
2人は無音で会話しているらしい

資料を配り終わって一旦席に着く

横「ここは…やっぱり中のシャツをチェック地にしてもらってもいいですか？」

最初から衣装案をまとめてくれていた3人を中心に、デザイン画への意見が挙げられる

玉「宮田は汗っかきなのでできるだけメッシュ地の部分増やしてやってください」

裕兄ちゃんの一言にわっと笑い声があがる

「吸水速乾性が高くて、通気性も高い布地を使う予定なので、多分汗とかで蒸れるとかはないと思います」

そう言って布地のサンプルに目を通してもらったり

実際にメンバー全員の寸法を測ったり

打ち合わせは2時間半程度で終了した