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ついに今日、メンバー全員とのミーティングが持たれ
直接もう一度、各コンセプトについて説明がされる
「今日だね」
「……」
「今日も、報告待ってるから」
別に、私の仕事についての報告は義務じゃない
ただ長く付き合った彼氏に、何でそんなことしなくちゃならないのか分からないし
「うん」
そう思っても、うんとしか言えない私は弱いのかな
「俺は望み通り、Aからあいつを消してあげようって努力したんだよ?でもAの方の努力が足りなかっただけなんだ。あれから一度でも心から俺のこと愛してるって思ったことあった?」
「ずっと見て来たけど、なかったよね。俺は知ってる。でももう今更ここまできて、Aのこと離してやろうなんておもわないから。」
「ましてや、俺から離れてもあいつと一緒になれるわけなんて、ないんだからな?そこは分かっとかないと、Aも。もう子供じゃないんだし。」
「じゃあ、行ってくるね」
そう言ってドアをパタン、と閉めて碧人さんは出勤して行った
一人っきりでいる部屋の中で、もう碧人さんはサイコパスなんじゃないか、って思い出す
でもそうさせたのはもしかしたら私なのかもしれない
そう思ったら怖くなって絶望的な気持ちになった
碧人さんの言っていることは全部正しい
ただ、無性にタカ兄に会いたくなった
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作者名:だだ | 作成日時:2017年4月22日 23時