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小さくなる背中を見つめる
Aのテリトリーに入り込むなんざ礼儀なんか必要なくて
いつもお互いに文句を言ってるのにな
少しだけ躊躇している俺がいた
紫の傘から肩が震えていて
俺の知らないAだった
右足は考えとは別にアクセルを踏み
Aの前で停車した
沖田「乗りなせぇ」
A「はぁ？」
眉毛をあげ、俺の親切心に怪訝そうな顔をする
沖田「乗れっていってんだろぃ」
シフトをパーキングに入れ外へ飛び出した
Aの手首を捕まえていた
A「ちょっと！痛い！何？」
沖田「うるせーから大人しく乗れっていってんだ」
カッとしながらAの大きな瞳が俺を睨む
A「乗らない！何？なにかした？」
沖田「あのさいい加減にしねーと刺すよ？」
A「はぁ！？頭おかしいんじゃないの！？」
沖田の手を振り払い
前へ歩こうとした
メキっ！！！
A「うぎゃ！！！」
肩を思いっきり掴まれた
A「い、痛いっ！！！！」
痛さで涙が溢れる
沖田「大人しく乗りなさんな…ゆうこと聞けィ」
A「痛いよ…もう……乗ればいいんでしょ」
後部座席に座り
西陽が差し込む車内で小さく傘を開いて
下を向いた
コイツの車に乗るのは始めてだ
沖田「やれやれ面倒かけんじゃねーよ」
バタン
A「何処行く気なの？」
沖田「あ？万事屋でさァ」
ハンドルを切る
A「え！！だ、ダメ帰りたくない！」
沖田「何わけわかんねぇ事いってんだよ旦那が待ってますぜ」
A「嫌っ！帰りたくない！！！降ろして……」
バックミラーを見つめると
Aがまた泣いていた
沖田「………降りて何処行くんでェ」
A「吉原……とかなら…」
ギュィィィィィィィィィィン！！！
スピードがあがる
ガン！！ゴン！！！窓に頭をぶつける
A「い、痛い！！ちょっと！！何処いくのよ！」
沖田「真選組屯所でさァ…未成年家出って事で俺が預かりまさァ」
A「は？……絶対いやああああああああ」
ギュウウウウイイイイイイイイイイインン
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作者名：mohumohu x他1人 | 作成日時：2014年7月18日 16時
