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「あと休みの日やって大体寝て食べて呑むしかせえへんし。」


それ以外にも自分の欠点なんてようさんある。

「俺もお前の容姿で生まれてきたかった」とか「大倉くんってイケメンなのに性格もいいね」とか生きてきた中でそんなことは耳が腐るほど言われてきた。


けど、容姿は年を取ればみんなと同じように老けるし、中身やって他人に自慢できる程じゃない。


見損なってほしいわけやないけど、買いかぶってほしくもなかった。


「つまらんことですぐ落ち込んだりするし他人に嫉妬もするし、…天パやし。」


彼女のふふっ、という笑い声と「天パだったんだ。」明るい声が背後から聞こえた。


「でも…それ欠陥じゃなくて大倉くん自身が思ってる自分のダメだと思うところでしょ?」


「欠陥てそういうもんちゃうの?」


気づけはキッチンの上に置いたスーパーの袋は空になっていて、冷蔵庫のドアを閉め、彼女の方を振り返る。


自分が思うダメなところと欠陥がどう違うのか俺には分からへんかった。


「ちょっと違う。欠陥っていうのはもっと、こう、どうあがいても埋めようのないことのことだよ。ある種、運命みたいな。」


彼女の大きな瞳は俺を見上げて、そう言う。

その目の奥で何を考えているのか、知りたいけど全く検討もつかへんし探ることもできないようなそういう不思議な雰囲気が彼女にはあった。


「それに、ヘタレなのも、すぐ落ち込むところも、それはきっと大倉くんの優しい部分から派生したダメなところだしね。」


それは余りにも、プラスに捉えすぎなんとちゃう?

そうツッコみたくなるほど、彼女の俺への診立ては甘くて。


「.....ほな、山田さん自分のこと欠陥だらけやて言うてたけどそれはなんなん?俺には全然そんな風に見えへんけど。」


確かに、ちゃんと喋るまでは馬鹿真面目だとか取っつきにくいとか思ってもうてたけど、

でもそれを欠陥と呼ぶのはまた違う気もする。



「それはー…、」



視線の先の彼女の目がほんの一瞬、


本当にほんの一瞬、光を無くしたように見えた。



「教えない。」


すぐに柔らかい表情に戻った彼女に俺は何故かほっとする。


「だって上手く隠せてるのに教えたら意味なくなるでしょ。」


「俺のんは聞いたやん。」


「だから、それは欠陥じゃないって。」


「よう分からへんわぁ。」



彼女のさっきの表情は気のせいだったのかと思う程に、一瞬で。

でも俺の心の中にかすかな引っかき傷を残した。





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蒼 夢見子(プロフ) - 茜音さん» 茜音様、初めまして。有難いお言葉に胸が熱くなりました…後先考えずにがむしゃらに書いてしまった荒すぎる出来の中でふたりの互いに想い合う気持ちは一番慎重に書いたのでそう言っていただけてとても嬉しいです!こちらこそ読んでくださりありがとうございました^^ (2018年11月10日 23時) (レス) id: d57fe18bd1 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - はじめまして。あまりにも続きが気になって一気に読ませて頂きました。描写はもちろん、ヒロインと大倉くんのお互いを想う切実さが綺麗で、思わず息が詰まりました。とっても素敵なお話をありがとうございました。 (2018年11月9日 15時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼 夢見子 | 作成日時:2018年8月7日 18時

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