君と何度でも (ページ8)

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店ページ8

放課後、友達と絃に挨拶してからなるべく速く教室を出る。出来ることならばマンホールに入っていくところは人に見られたくない。変な噂が経つこと請け合いだ。と思っていたがそれは杞憂だった。なぜなら昇降口を出たら店の中に繋がっていたから。
やはり何かしらの不思議な力が働いているのだろう。
「こんにちは」
挨拶をすると昨日と同じ女性がカウンターに立っているのを発見する。ただし装いは少し違っていて昨日は花があしらわれた紫のワンピースともドレスともつかない服だったが、今日はタイトなアジアンテイストのドレスだった。黒と紫を基調としたデザインは彼女の長い艶やかな黒髪によく似合う。
「あら、本当に来たの」
本当にとはなんだ。
「来いって言われたから来たんです。何かおかしいことでもありますか」
「いやだわ、怒らないで。短気は損気よ」
幼い子供に言い含めるように微笑む。
「さて、バイトしに来たのよね。試しとは言ったけど今日も普通に給料は出すからそれ相応の働きをすること。明日以降のことは今日が終わってから決めて」
元よりそのつもりだ。
「ああ、それと私はまだ名乗ってなかったわね。礼紗(れいさ)と言います。呼び方は礼紗さんと呼ぶように。それ以外は返事しないからよろしく」

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