Part4 [深海奏汰] ページ6
「あ、てんこうせいさんですよね〜?ぼくは『かなた』っていいます。てんこうせいさんもいっしょにぷか、ぷかしませんか?」
唐突に濃いキャラが現れてなんと返していいのかわからなくなってしまう。奏汰と言ったか。のんびりと間が抜けるような話し方、そして制服のまま噴水に飛び込む暴挙、それをおかしいと思わない精神。どこをとっても不思議人物である。
「えっと……ごめんなさい。私は着替え持ってきてないから…」
とりあえず断る言い訳を述べる。
「う〜ん、そうですか。ざんねんです。せっかくあたらしい『おともだち』ができるとおもったのに……。じゃあこのままおしゃべりしませんか?」
まさか向こうから会話を持ち出されるとは思わなかった。このチャンスは逃すべきでないだろう。
百聞は一見にしかずという先人の教えはあながち間違いではない。
「そうだね。私もまだ学校に慣れてないからお話聞けたら助かるな」
「うふふ……♪ありがとうございます。」
「奏汰くんは五奇人って呼ばれてるって聞いたんだけどどうしてなのかな?」
直前までニコニコしながら会話していたのに『五奇人』の話題に触れた瞬間彼の表情が曇る。
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作者名:志久真 | 作成日時:2018年8月18日 19時