五年目の花束。 (ページ2)

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三人組が、四人組になる前の話ページ2

かつて、その三人組は、四人組だった

自らを私と言い、常に敬語で話す椎名は、かつて不良だった

自らを僕と言い、人の気持ちを読み取りやすい陽翔は、かつて冷酷な人間だった

自らを俺と言う、頼れる兄貴分の京は、かつて愛や絆を知らない人間だった

そんな三人を今のような普通の人間にしたのは、少女として育てられた、アルビノの少年だった＿＿＿

*

*

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「…こーんばーんは、お嬢さん」
「？」
「こんな夜道一人で歩いてたら…
自分みたいな人に殺られちゃいますよ？」
「…ハァ？」

彼女のような彼の口から出た音は、困惑しきったものだった

「…君は？」
「うっさい邪魔退けゴミクズ」
「ひっどー」
「…」
「ん、敵意はないよー、ほらほら」

ひらひらと手を振る彼は、能天気に笑っていた

「大丈夫ー？」
「…アンタは、」
「見知らぬ少…女？少年？Ｅです」
「…ほっといてくれ」
「だが断る」

ふざけたように言って、そいつは笑った
まるで太陽のようだった