１４：雨上がりの公園で ページ15
「お疲れ様っしたあ」
「ちゃんと挨拶しろ〜お疲れ様」
店を出るなり待っていたと言わんばかりに立つ皆様ご存知、トミー さん。 動画では魔王とか言われてるけど口調からなんだか漂う雰囲気で分かる優しさ、と今から話す内容に関連されてるのかほんの少しのピリッとした感じ。あー、なんかこの感じ嫌いだなあ。
私は軽く会釈をし、トミーさんの横に並ぶ。
「でかいっすね」
「良く言われるわ、横にも縦にもってな」
にひ、と笑う彼は動画内と変わらなくて こんな方と今あたしは何してんだ、殺される、視聴者に。
なんて考えてはありえないと首を横に振る。
そんなあたしを横目に場所を変えようと歩き出すトミーさんについて行く。
着いたのは人気のない公園で、私はベンチに腰掛けようとするとトミーさんはただ、自然にハンカチを敷いてくれた。
「ありがとうございます」
「いいえ、昨日雨で濡れてるしね、」
そう言いながらトミーさんは素手で雨水をはらい、座る。
「……」
ほんの少しの、沈黙それを破ったのはトミーさんで私はごくりと生唾を飲んだ。
「単刀直入に聞きます、俺回りくどいの無理なんで。」
ひゅ、と冷たい風が私たちの髪をなびかせたと同時にトミーさんは次の言葉を続けた。
「カンタの事、どう思ってます？好き？嫌い？それともファンだから近づいた？」
真剣な眼差しにナイフに刺されるような感覚を感じた。それだけ真剣で真面目で誠実に、相方トシテノカンタさんが好きなんだってわかる。
「本当にいいコンビですね」
「は？ いや俺は……」
予想もしなかった言葉に驚いたトミーさんの言葉を遮り、続けた
「多分、いや絶対好き、です。 でもそれは水溜りボンドのカンタさんじゃなくて、佐藤寛太さん、一人の男性として」
言い切った、言い切ったぞ。
私はふう、と息を吐き捨てるとトミーさんはどこか吹っ切れたような表情で、立ち上がる。
「そりゃよかった。安心安心。」
んじゃ、帰るわ。と歩き出すトミーさん。
わけも分からず私も立ち上がると トミーさんは振り返り、ニヤリと笑う。
「この公園な、毎晩毎晩アホみたいにカンタが走りに来るコースなんだよね。だいたい、そうだなあ。」
「今くらいの時間」
そういいのこし、トミーさんは公園の裏出口の方に歩いてくと、 私の後ろで、水溜りを踏んだような音が聞こえた。
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anna＠(プロフ) - 更新されてすぐ最後まで読みました！笑 作品、読みやすくて面白かったです！次のお話待ってます！できればいつかこの話の続編とかしてほしいです(*^-^*) (2018年1月17日 18時) (
レス) id: cb318a273e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - anna＠さん» コメントありがとうございます。本当にそういったコメントが、一番励みになります(*⌒▽⌒*) (2018年1月16日 20時) (レス) id: b8bdec7a3e (このIDを非表示/違反報告)
anna＠(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいています！お忙しい中での更新うれしかったです！これからも楽しみにしています(#^^#) (2018年1月16日 17時) (レス) id: cb318a273e (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - アズさん» コメントありがとうございます！ そう言ってもらえると嬉しいです(；・∀・) やっと更新出来ました…… (2017年12月31日 8時) (レス) id: b8bdec7a3e (このIDを非表示/違反報告)
アズ - 初めまして！アズと申します^_^作品、読ませていただきました！とても面白かったです(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ続きを楽しみにしています(°▽°) (2017年12月20日 17時) (レス) id: f0ac258c69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅり | 作成日時：2017年11月22日 10時
