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11話 ページ12

sideA

A『あの時に死んでれば貴方をこんなにも追い詰める事は無かったのかもしれませんね。』

玄弥「姉…!!」

A『夜ですよ。大きい声を出すのは控えなさい。』

玄弥「……」

A『玄弥は、私を殺してくれますか?』

玄弥「…」

ポロポロと大粒の涙を流しては悔しそうに下唇を噛む弟。

A『貴方の唯一無二の家族である兄さんと仲良くね。』

玄弥「やだ!」

やだとは。

玄弥「姉貴も家族だっ!」

A『鬼は生きてることさえ罪ですよ。』

玄弥「アイツらは!?」

A『だから、声を控えなさい……』

アイツらとは恐らく禰豆子ちゃんと炭治郎くんの事。

A『彼等が特殊なのですよ。』

玄弥「姉貴だって…」

ぐるっと腕を回され抱きつかれました…

A『鬼殺隊ともあろう方が…兄弟揃って、全く…』

玄弥(兄貴も姉貴に抱きついたのかよ!!)

A『さ、そろそろ夜が明けますよ。』

玄弥「…うるせぇ。」

A『兄さんの要らない所を受け継いで…』

玄弥「…姉貴、昔は言葉遣いに怒ってた…」

A『貴方ももう子どもではないのでしょう。私は成長しませんが。貴方は刻一刻と成長しては今を生きてる人。私達は同じ場所に立っていても土台が既に違う別物。貴方は人で、私は化け物。化け物に説教など嫌でしょう?』

玄弥「……化け物に変わり果てようが、姉貴は姉貴だ…」

やはり、この子は優しい。

A『玄弥、世の中確かに情は人が人である為の必要な感情ですが、世の中は甘くありません。情けだけではどうしようも無いことなどごまんとあります。』

玄弥「…結局、説教じゃん…」

あら、確かに。

日が…

玄弥「…!姉ちゃん…!やだ!コッチ!!」

押し入れに私を入れます…

玄弥「…母さんも太陽に焼かれてた…」

あら、てっきり兄さんが頸を切ったのかと。

玄弥も押し入れに入ってきました…

玄弥「…姉貴のバカ…」

ぎゅうっと私を抱きしめては温かい雫が私の肩を濡らします…

A『あなた達はそっくりですね。兄弟揃って同じ事を…』

背中を摩っては、また強く私を抱きしめる。

玄弥「…ここに居ていいって言われているんだったら、居てよ…俺、会いに来る。」

A『ここは治療をするための場所ですよ。怪我を頻繁にするのは姉として…』

玄弥「会いに来るだけ…最近、兄貴が頻繁に来てて変だって思ったけど、居るなら会いに来る。」

A『止めても来そうですね…』

困った兄弟ですね。

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作者名:ペテン師 | 作成日時:2019年11月20日 4時

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