8話 ページ20
数時間後、準備を終えてから星拾いの崖へ向かった
空とユリスが到着する頃には、もうみんな集まっていた
ディルック「よし、揃ったな」
パイモン「ここ、景色が綺麗だな」
パイモンは辺りを見回して喜んでいる
確かにここは綺麗
崖ということもあり、あたたかな風が頬をかすめ、手を伸ばせば雲に手が届くような錯覚に陥る
セシリアの花も、風で楽しそうに揺れている
ユリスも頷いて、はしゃぐことはしなかったが、耳をピクピクさせていた
ウェンティは「ふふっ」と少し笑みをこぼす
ウェンティ「「運命の再会」というテーマに相応しいでしょ?
じゃあ、そろそろ準備を始めるよ」
ジン「ああ、どんな結果が待ち受けていようと、少なくとも転機は見えてきた。
ここ最近、モンドは様々な問題を背負いすぎた……」
ディルック「だが、まさか問題を解決してくれるのが旅人と詩人になるとはな」
ディルックは空とユリスとウェンティを順番に見る
ディルック「……ああ、騎士団も少しは役に立ったか」
ディルックはわざとらしく言う
ウェンティ「はいはい、みんな少し離れて———この世で最も優れた吟遊詩人が
琴をつま弾くよ」
ウェンティは最後にニコッと笑ってから崖の先端へ歩き始めた
ウェンティ以外の人は少し離れたところから見守る
そして海風が音を立ててなるところに、ウェンティは天空のライアーに手を添え、ゆっくりと優しいメロディを奏でる
すると地響きが鳴り、崖の下から巨龍が風を纏って現れる
一同は強風で目が開けられない
風が落ち着いてきた頃、トワリンがゆっくりと降下してくる
トワリン「君か……今さら……話すことはない……」
トワリンのその言葉には少しだけ怒りが含まれている
ウェンティは少し悲しそうにトワリンに言う
ウェンティ「そうかい?ボクの見間違いだったのかな?君の目は、この曲を懐かしんで
いるように見えるよ……」
トワリン「フン……」
トワリンはウェンティの話に聞く耳を持たない
ジン「本当に、話が……」
すると遠くから氷の矢が飛んできて天空のライアーに直撃する
そして少し欠けたライアーが地面に転がる
緊急事態に一同はウェンティに駆け寄り、ウェンティを庇うように前に立つ
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2023年3月11日 19時