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21.死せる金狼【後】 ページ22
「なんで笑うんですか……」
「ふふ、いや、あのね」
まったく関係ない話なんだけど、と彼は切り出した。
「君には後の『彼』を上回るほどの呪力量がある。そんなAを放っておくほど、うちの学長もザラじゃないさ。
いつか呪術高専から迎えが来るだろうから、君はそこへ行くといい……私みたいに本気で怒れる友達ができるだろうから」
にやりと彼は笑った。前半の話はよくわからなかった。新しく聞く言葉ばかりで、意味を聞こうにも、大半を忘れてしまっている。しかし、最後に添えられた一文が、自分へのからかいの意味も込められていると知ると、また様子は違ってくる。
「もう絶対に許しません」
「……今日の晩御飯、なんでも作るよ」
オムライスがいいです、とだけ、ぽつりと呟いた。
帰路は二人で夕焼けのなか、田舎のアスファルトの道を歩いていった。
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作者名：地獄職人(匠) | 作成日時：2021年1月27日 23時
