紫の偏執1 ページ30
時計は午前10時を指している朝。
先程から一松君がチラチラと此方を見ている。
そう、今日は一松君とデートの予定なのである。
視線は送るものの一向に話しかけてはこないということは想定済みだ。こういことに消極的な一松君のことだから、気恥ずかしさやその他諸々のいろんな感情と葛藤しているのだろう。
…そろそろお皿洗いも終わったし、私から声をかけてみるか。
彼の方を向き目を合わせると、一松君は体を大きくビクつかせ慌てて目を逸した。
なんか可愛いな。
『一松君、そろそろデート行こっか？』
｢…、ん。｣
一松君は目線を合わせないままゆっくり立ち上がり、玄関へ向かっていった。
私も皆に｢いってきます｣と言い玄関に行くと、既に一松君は表へ出ているようだった。
え、なんか行動早くない？
…そういえば一松君は時々猫のような俊敏さを見せていた。もしかしたら彼の中で何かメカニズムがあるのかもしれない。
にしてもなんか距離を感じるんだよな…
最近、心なしか一松君に避けられている気がする。猫の話をしようと思ってもいつの間にか居なくなってることが多々あるのだ。
…思い返せば、最近の一松君はどこか余裕の無さが窺える。まるで何かに焦っているような、怯えているような感じだ。
特にあの日…そう、バイトの面接結果の電話があった日だ。一松君は白い花、ヒメウツギの花びらを髪や服に付けたまま帰ってきた。あの日の彼はいつにも増してピリピリしていて近寄りがたいオーラを漂わせていた。
何があったのか聞こうにもいまいちタイミングが掴めない。ちなみに皆は一松君の変化を特に気にしていないようだった。私が気づいたんだから皆が気づかない筈がないけど、口に出さないってことは特に気にする必要はないということだろうか。
でも気になるものは気になる。
ふと前を見ると玄関の扉を通して、ぼんやりと一松君の姿が見えた。そこに居るのは分かってる、すぐ近くにいるのは分かってるのに一松君の姿がハッキリと見えないこの距離は、まるで心の壁を表しているようだ。
今日のデートでこの壁を壊したい。せっかく二人で出かけるんだ、せめてヒビを入れるだけでも。
＝＝
5月24日18時からニコ動でえいがのおそ松さんが放送されるらしいですね！
実はDVD買ってもう視聴済みなんですが、また見ようと思います。
あれは情報量が多かった…最近はおそ松さんの考察ばかりしています。ネットでは鳥肌の立つような考察があって、何というかもう鳥肌です。
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milk - 本当に面白い！！この作品は完結がもの凄く気になります…！！続き待ってます！！ (2022年8月26日 22時) (
レス) @page47 id: 1d931b58b6 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 続き待ってます (2022年8月18日 17時) (レス) @page47 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
一樺(プロフ) - 続き凄く見たいです…もう更新されないんですかね？？ (2020年11月28日 16時) (レス) id: e734b1c435 (このIDを非表示/違反報告)
星猫(プロフ) - 続き見たい早く気になる (2020年11月14日 16時) (レス) id: 7ce7f2c2ab (このIDを非表示/違反報告)
Nori(プロフ) - なり金さん» 再びコメントありがとうございます(*´ `)小鳥が飛び立ったシーンでしょうか？差し支えなければ教えてください…笑カラ松パートでの課題はカラ松語なんですよね。未だに分からない笑 (2020年6月23日 16時) (レス) id: f050346503 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nori | 作成日時：2020年3月10日 17時
