出会 ページ5
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旦那はそそくさと去っていった。
それを見送って、
『いえ。では、私はこれで。』
「え〜〜もう少し話しましょうよ〜」
『あはは…しつこいなぁ』
シライシの言葉を振り払って、
踵を返そうとすると「待て」と、
アイヌの女の子に止められた。
「礼を言う。
＿＿＿アイヌに詳しいんだな。」
……あの人は自分のことよりアイヌのことばかり話していたからな。嫌でも知識として蓄えられている。
『昔、お世話になった人がアイヌの文化を尊敬していたからよく話を聞いていた。』
ふと、彼女の腰元を見れば、
そこには“マキリ”があった。
『これ、マキリ？』
「？？＿＿＿あぁ、そうだ。見るか？」
彼女は私にマキリを渡してくれた。
繊細な模様の彫り、その彫りの手触りから、このマキリが大事に、丁寧に、この子をどれだけ想って彫られたのか、すぐにわかった。
＿＿あの頃はわからなかったが、あの人がなぜあれほどにアイヌの文化は素晴らしいと熱量を持っていたか、大人になった今なら痛いほどわかる。
『ありがとう。
昔を少し思い出せた気がする。』
と、マキリを返した。
『名前は？』
「アシㇼパだ。」
『そこのお二人は？』
突っ立っていたアイヌのガタイの男と兵士は先程とは打って変わって、穏やかな表情になっていた。
「キロランケだ」
「杉元だ。さっきは悪かったな。」
『気にしてないよ。
窃盗だなんて言われたら、
そりゃ誰だって腹立てるし。』
「俺には名前聞いてくれないの〜？」
と、ニョロニョロと視界に現れるシライシ。
『わかってるよ。シライシヨシタケ』
「なんかキノコみたいな発音だな」
「ブッ＿＿＿＿＿」
『…ふっ＿＿＿＿』
アシリパのガチトーンに
私と杉元とキロランケは声を殺して笑った。
「…ｸｰﾝ」
これが、出会いだった。
．
『わざわざ夕張まで来たんだから、少しご馳走するよ。』
それから成り行きで私は、家に招き入れた。
物騒なものは押入れに隠し、
表向きの普通の家になったと思う。
先日買ったサクラマスの塩漬けが
ちょうどいい頃合いになっていた。
一人で食べるには多すぎたから、
とてもありがたい。
「ハッ！オソマ！！！」
野菜を入れた鍋に味噌を入れようとすると、
アシリパが声をあげた。
『？？オソマ？』
「コラ、アシリパさん。」
「杉元のオソマと、どっちが美味しいかな〜」
と、二人はニヤついていた。
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プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年11月27日 21時
