前進 ページ28
．
次の日の朝、
私達はコタンから離れる準備をしていた。
尾形に『ありがとう』と、羽織を返すと
何も言わずに受け取って行ってしまった。
「さて問題は
村長に化けていた網走からの脱獄囚、
詐欺師、鈴川聖弘をどうするかだ」
尾形は殺して皮を剥ごうというが、
アシリパは無抵抗の人間を殺すのかという。
「網走から脱獄した他の囚人の情報がある！」
鈴川はそういった。
だが、詐欺師であったため
信頼度はもちろん低い。
唯一興味を示したのは杉元だった。
「嘘なら舌を引っこ抜いてやるさ。土方歳三たちと合流してコイツの処遇を相談しよう。」
と、決め、
コタンを出ようとした。
しかし、コタンの女性たちは、
“チ○ポ先生”
“チ○ポ先生”
と、牛山を引き止める。
そりゃ熊にも勝ったし、
男がいなくなったこの村の女たちに
引き止められるのも無理はない。
「…子種だけ置いていけないだろうか」
「弱みに付け込むのはよくないぞ牛山。
責任取れるのか？」
牛山は杉元と鈴川に引きずられていた。
「弱くなんかない。
アイヌの女だってしたたかなんだ。
このコタンは必ず生き返る。」
アシリパはそういった。
それがアイヌの強さであり、
女性の強さだと言うんだろうか。
「さぁ、先を急ごう。
白石もきっと杉元に逢いたくて寂しがっている」
そして、
私達はコタンを離れ、
樺戸へ向かった。
＿
no side
夕張。
数日後、月島は再び夕張を訪れた。
江渡貝の家は火事で、
取り壊しが決まったようだった。
一般人を巻き込んでしまった罪悪感、
そして江渡貝という男の、
鶴見中尉と作品への一途な思いを思い馳せながら、
一輪の花を家の前に置き、
月島は表情を変えずに街の方へ戻った。
「すみません、
Aという女性を知りませんか？」
とある甘味処で、体を休めながら
ふと店主に尋ねると、
「あぁ。
知ってるさ、よく来てるよ。」
そう答えた。
意外と簡単に見つかりそうだな、と
月島は安心していた。
「つい、この間も来ていたよ。
いつもは一人なのに、
珍しく可愛らしい女の子を連れていてね」
「女の子？」
「あぁ。恐らくアイヌの子だったと思う。」
＿＿アイヌ
「ところで軍人さん、
アンタはAの恋人かなんかかい？」
「あぁ、いえ。
ただの＿＿＿＿＿良き友人です。」
月島はそういうと少し微笑んだ。
「そうかい、そうかい」と、店主も微笑んだ。
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プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年11月27日 21時
