星空 ページ25
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『…そういえば』
「ん？」
『旅順で見た星空も綺麗だった。
杉元も見た？あの満点の星空』
あれは、とある場所を制圧したその日の夜だった。
「…いいや、生きることに必死だったから。
星とか見る余裕がなかったな…」
『＿＿そうよね、普通。
戦争中に星なんて見ようと思わないよね。』
“A殿、非常食を持ってきました。
これを食べましょう。”
『ちょ……
それ、どこから持ってきたの…』
“先程、宇佐美殿からいただいたんです。“
『(……食べても大丈夫なやつかな…)』
“あっ、見てください。
A殿。
とても星が綺麗ですよ。”
『………そうだね。…綺麗だね。』
“＿＿＿＿＿A殿”
『…？』
“日本に帰ったら…”
『…？』
“＿＿＿＿＿いや、なんでもありません。”
『？…今、何を言いかけたの？』
“日本に帰ったら、言いますね。”
『ふっ、…なにそれ…』
“だから生きて帰りましょうね。約束です。”
『旅順での戦争は、私にとって最初で最後の戦争だと思ってた。』
「…」
『だけど、また戦争になりそうな気がする。』
正義と悪はいつだって、相対的なもの。
私が思う正義 は誰かの悪だ。
＿＿＿だから戦争というものは、なくならない。
『…杉元、体が冷えると風邪をひく。中に戻ろう。』
立ち上がると、
杉元は私の左手を握った。
『…』
硬い皮膚に覆われているその大きな手は荒れていて、
軽く握られているだけのに、
彼が不死身の杉元と呼ばれる理由がわかった。
「なぁ。
俺、アンタのこと知らないと後悔する気がする」
『…？』
「だから、もっと教えてくれ。
Aがどんな人で、どんな人生を歩んだのか。
Aのすべてを俺は知りたい。」
杉元はまっすぐな目で、私を見ていた。
その杉元は、少しだけ勇作に似てる気がした。
“A殿＿＿＿＿＿
A殿のことを色々教えてください。”
……いや、似てないか。
星を見て思い出したからと言って、
勇作の面影を探すあたり、
私は案外、未練たらしいのかもしれない。
だから、思わず頬が緩んでしまう。
『＿＿＿＿＿なにそれ、告白？』
そう尋ねると、杉元の顔は、キューーと茹でダコのように赤くなった。
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プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2022年11月27日 21時
