銃声 ページ16
．
アシリパや杉元、尾形たちと
行動を共にすることになったが、
どうやらまずは月形の樺度監獄に
向かうようだった。
話を聞けば、本物と偽物を見分けるために、
とある囚人のところへ向かうらしい。
大人数だと第7師団に見つかるため、
二手に分かれて移動をしていた。
「見ろ、杉元。
トゥレㇷ゚タチㇼがいる。ヤマギシだ。」
ただひたすらに森の中を歩くなかで、アシリパは鳥を見つけた。そのヤマギシという鳥は脳みそが美味しいらしい。
ｶﾁｬ
「おい！尾形。やめておけ」
アシリパはヤマギシに向かって銃を構えた尾形を制した。
「なんでだよ、食うんだろ？」
「一羽に当てられたとしても他のが逃げてしまう。ヤマギシは蛇行して飛ぶから、その銃じゃ当てるのは難しい。」
アシリパはそう言って、ヤマギシの習性を利用した罠を仕掛けていた。
＿＿翌朝
「起きろ。＿＿＿＿＿来い。」
皆が寝ている朝方、尾形は私を呼びつけた。
尾形はただ森の中を歩く。私はその背を追うだけ。
『ちょっと尾形＿＿＿＿＿、』
呼び寄せたくせに何も言わずに歩き続けるから、私は我に返って、足を止めた。もうだいぶ3人から離れた場所にいる。
「いたぞ。」
尾形はある地点へたどり着くとと、ｶﾁｬと銃を構えた。その視線の先には複数のヤマギシがいた。
『まさか、撃ち落とすために来たの？
その銃じゃ無理だって、アシリパに言われたのに』
「そんなこと知るか」
……もしかして、
アシリパに言われたから
撃ち落とそうと思ったのかな？
「…そうだ、ちょうどいい。＿＿＿お前が撃て」
『え』
「こんなこと朝飯前だっただろ。
鈍った身体を起こすにはちょうどいいはずだ。」
『私の視力は落ちたままだから、きっと撃ち落とせないよ。』
「構わん。撃ち損ねたら、俺が撃つ。」
『…』
約1年ぶりに構える銃だった。
もちろん、視力は悪くなってないんだから、
ヤマギシなど、きっと簡単に射抜ける。
『…。』
だけど、私の視力戻っていることを、
尾形に知られたくなかった。
『…』
ﾊﾟｧﾝｯ
劈く銃声が、森に響き渡った。
一年ぶりに引き金を引いた感覚。
鼓膜に余韻を残す銃声。
全身に電流が流れたような反動。
『…』
心臓の奥から、ドクドクと何かが湧き上がってきているような気がした。
＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
プスメラウィッチ - 出来れば、尾形百之助オチでお願いします🙏 (2023年1月27日 15時) (
レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作者です - 名無し74304号さん» はじめまして。お気遣いいただきありがとうございます。自分のペースで進めていきます。よろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
作者です - もっちさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2023年1月3日 15時) (レス) id: 2646bdd757 (このIDを非表示/違反報告)
名無し74304号(プロフ) - はじめまして、面白いです。続きを楽しみにしています、無理なさらない程度に (2022年12月27日 1時) (レス) id: 969f72f718 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 面白いです、楽しみにしてます。 (2022年12月26日 0時) (レス) @page38 id: 59cf03caf8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2022年11月27日 21時
